Culture Firstに騙されるな!

まずはこの記事を読んでください。

87の権利者団体が「Culture First」の理念を発表した。「文化が経済至上主義の犠牲になっている」とし、私的録音録画補償金の堅持に加え、対象をiPodやPC、携帯電話などに拡大すべきと訴えている。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0801/15/news117.html

「Culture First」の趣旨は、「流通の拡大ばかりが優先され、作品やコンテンツなど創作物を単なる『もの』としか見ないわが国の昨今の風潮」を改め、「『文化』(Culture)が重要視される社会の実現」を目指すことにあるそうです。これは非常に立派な理念だと思います。

しかし、これを言っている権利者団体の中心にいるのは日本音楽著作権協会(JASRAC)です。そう、「流通の拡大ばかりが優先され、作品やコンテンツなど創作物を単なる『もの』としか見ないわが国の昨今の風潮」を広めた張本人であり、経済至上主義の権化です。

よくよく読んでいくとおかしいことばかりです。地球温暖化とどこが同じなのかさっぱりわかりませんし、機械文明優先の社会の是非との関連性も全く不明です。

僕の視点からこの(日本での)「Culture First」が生まれた経緯を説明すると、要するに「最近ハードウェア企業ばかりが儲けすぎてるんじゃない? ソフトウェア業界にももっと儲けさせろよ」という話なんです。もっと言えば、「IT化の波に乗り遅れたけど分け前よこせ!」と。文化が大事とか温暖化はいかんとか、誰でも納得しそうな綺麗な文面を並べていますが、それとこれとは全く関係ない。「俺たちにも儲けさせろ」とJASRACが主張していて、市川團十郎やすぎやまこういちのような正義感がありつつもちょっと視野が狭いと思われる人たちが口車にのせられてしまったんです。言っておきますが僕はすぎやまこういちを尊敬しています。ドラクエはともかくイデオンの音楽はすばらしい。その氏がこういう形で登場するのは残念でなりません。

はっきり言っておきますが、昔はともかく、今となってはJASRACは日本の音楽文化発展にとって障害でしかありません。ビジネスベースに乗らない音楽がこれだけ虐げられているのはJASRACが原因ですし、音楽の多様性を阻んでいるのもJASRACが原因です。ネット上で自分の曲を自由に公開し、気に入った人がダウンロードして聴く、自発的でシンプルなネット上の新しい音楽文化が生まれてきたにもかかわらず、それをJASRACがぶち壊したではありませんか。JASRACは音楽文化を大切にしようなんて思っていない、と僕は断言します。彼らは自分たちが音楽産業を牛耳りたい、と思っているただそれだけです。

市川團十郎さん、すぎやまこういちさん、船村徹さん、文化を大切にしたいからこそ、偽者の「Culture First」に加担しないでください。マジで頼むぜ。

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