第1回:ひょうたんスピーカって何?

ひょうたんスピーカーを作ろう!
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9月ごろのことです。
会社で音楽をかけていて、ボリュームを大きくすると邪魔だし小さくすると聞こえないしどうにかならないかなー、と思っていたんですが、「ひょうたんスピーカーにしたら解決するんじゃないか?」と思い立って実践することにしました。写真をご覧になればわかりますが、もう実際に会社で使っています。快適なリスニング環境が完成しました。
このメイキングをこのブログに書こうと思い、新カテゴリー「ひょうたんスピーカーを作ろう!」を新設しました。
これから約10回程度で、ひょうたんスピーカーの作り方を解説していきたいと思います。今のところ以下のようなコンテンツを予定しています。
第1回(今回):ひょうたんスピーカーって何?
第2回:必要な物と道具を揃えよう
第3回:ひょうたんスピーカーを作ってみる
第4回:ひょうたんスピーカーを慣らすアンプについて
第5回:ひょうたんスピーカー専用アンプを作る(前編)※マニアック
第6回:ひょうたんスピーカー専用アンプを作る(後編)※マニアック
第7回:ひょうたんの栽培をしてみよう1(接触編)
第8回:ひょうたんの栽培をしてみよう2(発動編)
第9回:ひょうたんの栽培をしてみよう3(収穫編)
第10回:まとめ
第5回まではすでに完成していることを書くだけなので簡単なんですが、それ以降はまだどうなるかわかりません。
では、早速、「ひょうたんスピーカーって何?」という解説からはじめます。


ひょうたんスピーカーというのはひょうたんの底(正確には何と言うのでしょう?大きい方の丸の下の方です)をくりぬき、そこにスピーカーユニットをはめこんで天井からぶらさげて鳴らす、という方式のスピーカーです。通常市販されていませんので自作することになります。
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「なぜひょうたんなのか?」については、「そこにひょうたんがあるから」と答えるしかありません。音響工学的にはエンクロージャー(スピーカーの箱の部分)がひょうたんであるメリットは一応あるにはあるようなんですが、その辺は僕の研究ではないので偉そうなことは言えません。ただ、小さな音をここちよい響きで再生できるものが好ましく、ひょうたんという素材はそれを実現できる、というのは事実です。
またひょうたんスピーカー自体は20年以上前から広く知られているものなので、別にどこかの会社が最近売り出したものでも、ネット上で生み出されたものでも、ましてや僕が開発したものでもありません。
ここでは、当初の目的である「音が大きすぎず小さすぎないリスニング環境を作る」という観点からひょうたんスピーカーがいかに有用であるかについて説明します。
まず、実際に経験ある方も多いと思いますが、広い場所で音楽をかけると、スピーカーの近くの人はうるさく、スピーカーから遠い人は聞こえない、という問題があります。特に職場などになると(音楽を流せる職場は少数派かもしれませんが)、電話がかかってきたら音量を下げないと受話器の音が聞こえづらいとか音楽が相手に聞こえてしまう、などの問題が発生します。
この問題は「広い範囲にうっすらと音楽をかける」ことで解決します。では、広い範囲にうっすらと音楽をかけるにはどうしたら良いか?というと、これは「無指向性のスピーカーを点在させて小さな音量で音楽を流す」ということになります。それを実現するのがひょうたんスピーカーです。
通常の(横置きの)スピーカーは人間の耳の高さくらいの位置から、ほぼ水平な位置に向かって音を出します。スピーカーの正面はよく聞こえ、左右はすこし弱く、後ろではほぼ音が聞こえません。このため横置きのスピーカーはたいてい壁際に置き部屋の中央に向って音を出します。耳も横向きになっているためスピーカーの音は直接耳に届きます。
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図1:通常の横置きスピーカー
しかし、ひょうたんスピーカーは天井から下に向かって音を出します。人が下にいるので人に向かっているのは同じですが、耳は上を向いているわけではないのであまりうるさく感じません。また、スピーカーの前後左右どの位置にいようが均等に同じ音の大きさで聴こえます。このためひょうたんスピーカーは壁際でなく、部屋の真ん中付近に吊します。スピーカーが複数ある場合は(通常複数ありますが)スピーカーの数に応じて均等に間隔を空けます。天井なので机や通路などをあまり気にせず均等に設置することができます。
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図2:ひょうたんスピーカー
すでにおわかりかと思いますが、この話はひょうたんスピーカーに限った話ではありません。要は下向きのスピーカーを複数設置すればよいだけのことです。実際ビルなどでは天井に埋め込まれているスピーカーからBGMが流れていることがありますね。あれと同じといえば同じです。ただ天井埋め込みスピーカーは後から設置するのが難しいし、場所の変更もできません。ましてや自宅に付けようとは思いませんよね?ひょうたんスピーカーなら天井にひっかけるものさえ取り付けられれば簡単に設置できます。
ひょうたんスピーカーは、このようにいくつもぶら下げて、どこにいてもうっすら聴こえるように音楽を流すような用途に向いています。逆に集中して聴いたり、大音量で聴いたり、マイクの拡声に使ったりするのには向きません。そういう場合には横置きのスピーカーの方が向いています。
では、これから3回に分けて、ひょうたんスピーカーを作り設置するまでの流れを紹介します。
※この記事に関するご質問などはtwitter:@tomokiwaまでお気軽にどうぞ。わかる範囲で(笑)お答えします。

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