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「エクスマキナ」観ました

前作『アップルシード』はDVDレンタルで観て「まあまあ思ったより面白かった」という程度でしたが、今回の『エクスマキナ』は「ある理由」でぜひとも劇場で観なければ、と思っていました。上映館が少ないのでなかなかチャンスがなかったんですが、やっと観てきました。


EX MACHINA ORIGINAL SOUNDTRACK COMPLETE EDITION

ぜひとも劇場で観なければならない「ある理由」というのは、言うまでもなく音楽が凄い(と思った)からです。

音楽監督:細野晴臣
楽曲提供:HASYMO(細野晴臣+高橋幸宏+坂本龍一)、コーネリアス、テイ・トウワ、レイ・ハラカミ、コシミハル、他。

このメンバーが集まったのに、よりによって3Dアニメのサントラかよorzって感じもしますが、とにかくちょっとの期待と大きな不安を抱いて劇場に足を運びました。

音楽に関しては、「非常に良かった」です。思ったより普通のサントラで、前に出すぎることもなくいい感じで映像に馴染んでいました。サントラはもちろん買いました。今聴いてます。映画トータルとしては、日本の良質なアニメを観たときのような脳みそをマッサージするような満足感はなく、ハリウッド物を観たときの物足りなさを感じました。ストーリーにしても演出にしても、映像技術にしても、です。ただこれは前作と同じといえば同じなので想定の範囲内です。映像は凄いといえば凄いのですが、アニメーション特有のアウラを感じない。

この問題はきっと複雑です。たぶん製作側だけの問題ではない。観る側の感じ方についても心理学的に研究する必要があるでしょう。背景は3DCGでも違和感がないんですが、3DCGキャラクターには違和感を感じる。たとえば映画「FINAL FANTASY」と比べてみると、レンダリング手法もキャラクターのデフォルメ度合いも全く違っていて、方向としては「アップルシード」や「エクスマキナ」の方が違和感が少ない手法であるハズだ、とは直感的にわかるのですが、あいかわらず同じ違和感を感じてしまいます。しかしどうしたらその違和感がなくなるのかわかりません。たとえていうならば、ゲームでムービーパートが延々続くのを観ている時のようなちょっとイライラする感覚です。

ここでは僕の提示する仮説として、僕らの脳にはすでに「3DCGはインタラクティブなものだ」という認知がなされていて、「操作できない3Dキャラクターは物足りない」と感じているのかもしれない、と書いておくにとどめ、今後研究が進むのを待ちましょう。

そうそう、ネタバレになりますが、内容に関して疑問点が一つ。

「コネクサスはオープンソースなのに誰もソース読んでなかったの?」

オープンソースなら、あんな危険なコードが入ってれば誰か気づくハズです。きっと脚本家はオープンソースのことをよくわかってないんでしょう。うろ覚えですが「オリジナルを誰が作ったのかはわからないんだけど、ネットのオープンソースで配布されてる」みたいな事を言っていました。「ネットで配布」ならわかる。「オープンソースで配布」でもギリギリわかる。でも「ネットのオープンソースで配布」はおかしい。言うとすれば「オープンソースとしてネットで配布」か「オープンソースだからネットで配布」かそんなところでしょう。

無理やり好意的に解釈するなら、我々の言う「オープンソース」とこの作品上の「オープンソース」は全く意味が違っていて、この作品でいう「オープンソース」というのは単に誰でもソフトを落とせるVectorみたいな無料サイトか何かの名前であって、ソースが公開されているわけではない、というところでしょうか。まぁだとしても「オリジナルを誰が作ったかわからない」という言葉からするとオリジナルから途中で改変されているという意味にもとれるし、であればやっぱりソースが公開されてるハズなんですけどね。

この作品は押井監督作品の「劇場版パトレイバー」あたりを参考にしたと思われる箇所がたくさんあるんですが、押井監督と違って専門用語を出すときの下調べが弱いんじゃないかなあと。

カテゴリ: 映画/アニメなど 日付:

アニメが面白くない夜は読書が進む

今季は見るべき深夜アニメが全くないので、夜はたいてい本を読んでます。

そしてこの3日間でなんと15冊もの本を買ってしまいました。

ユリイカ―詩と批評 (第34巻第15号)


「ベンヤミン」 (KAWADE道の手帖)

ちょっと前になんかの本を読んでいたらベンヤミンのことが書かれていて、そこに書かれていることを総合すると、なんというのか「戦前のドイツでドゥルーズみたいなこと言ってる!」って感じがして、面白そうだからベンヤミンの著作を読みたいと思っていました。そこでまず入門というかどの著作を読んだらいいのかを大雑把に把握しようと思い上の2冊を購入。そこで大体の著作の紹介を読んで興味があるものを中心に以下を購入。


ベンヤミン「歴史哲学テーゼ」精読 (岩波現代文庫)


「図説 写真小史」 (ちくま学芸文庫)


「暴力批判論」


「ボードレール」

「ボードレール」は「複製技術時代の芸術作品」を読みたいという理由だけで購入したものの「歴史哲学テーゼ」が収録されていて「精読」と重複してる上、その後「複製技術時代の芸術作品」にも「精読」が出てることを知り、「精読」2冊で十分だった、とちょっと後悔。まぁカフカ論も読めるからいいか。ちなみに「写真小史」は読み終わりましたがそれ以外はまだこれからです。

クレーの旅クレーの旅

もともとクレーは好きで、これまでも美術展を見に行ったりしていたんですが、ベンヤミンの中にも登場するので下記「植田~」を買うときにたまたま横で見かけたこの本を購入。クレー全般というよりはチュニジア旅行がクレーに与えた影響の部分に焦点を絞って書かれている本。僕自身マルセイユにもチュニジアに行ったことがあるのでかなり面白く読めた。作品もカラーでたくさん載っているので図録としても良い。

「植田正治の世界」 (コロナ・ブックス 136)

最初は写真経由でなく美術経由で植田正治のことを知った。アンリ・ルソーの影響を受けた写真家ということで。それから写真集とか伝記的な書籍を見る度に買うようになった。上のクレー本と同じ平凡社のシリーズなんですが、このシリーズはサイズも構成もいいと思った。


「差異と反復 上」(河出文庫 ト 6-7)


「差異と反復 下」(河出文庫 ト 6-8)

ドゥルーズ本は最近つぎつぎ文庫化されて読むのが追いつかない。80年代後半から90年代前半にはドゥルーズはかなり注目されていたけど、その後名前聞かなくなったな~、と思ってたころに出版ラッシュ。学生時代に文庫で出ていればもっと読めたのに・・・。ハードカバーを持っていても文庫版も買ってしまいます。持ち歩けるので。


「右翼と左翼はどうちがう?」 (14歳の世渡り術)

14歳が読むことを想定した本。こうやって右翼と左翼の思想を噛み砕いてみると、右翼思想ってのはなんてわかりやすいんだ、と思う。たぶんこの本を読めば14歳でも右翼の思想がおおまかには理解できると思う。でも左翼思想はこれではよく分からないだろう。著者はかなり丁寧にわかりやすく書いているけれどもそれでも(だからこそ?)左翼の説明はわかりにくい。インタビューも右翼の人たちのほうが14歳向けにうまく説明できてる。でもそれは著者やインタビューに登場する人の問題ではなくて、多分思想の問題だと思う。本質的に右翼思想の方が左翼思想よりシンプルでわかりやすいものなのだ。左翼思想は専門用語を使わないと説明できないことが多いし、弁証法を繰り返し考え抜いた結果初めて理解できる部分もある。だから最近は政治に感心を持つと右から入る人が多いのかな~、と思ったり。ちなみにこの本は14歳じゃなくても大人が読んでも面白いと思います。


「現代思想の遭難者たち 増補版」

漫画で解説する現代思想や哲学の本というのはこれまでにもいくつもの試みがあったと思うけど、この本のユニークなところは漫画家が直接解説しているという点。この手の本は普通は文と絵が別の人になっていることが多い。っていうかいしいひさいちスゲー。


「アナーキズム―名著でたどる日本思想入門」(ちくま新書)

学生時代からこの人が嫌いでした。しかし最近の入門書的なものは結構題材もいいしニュートラルだし読みやすいと思います。丸くなったのかな? ちなみにまだ途中までしか読んでません。


ネット右翼とサブカル民主主義ネット右翼とサブカル民主主義

僕はネット右翼は右翼じゃないと思っているので、ネット右翼の台頭を「右傾化」と表現する言説に対しては、それはちょっと違うんじゃないか、というスタンスです。この本でネット右翼についてどう書かれているのかはまだ読んでないのでわかりませんが、主題としてちょっと面白そうなので買ってみました。



メディアは存在しないメディアは存在しない

過激なタイトルですが、メディアについてどう考えるかは今一番重要なテーマではないかと思います。まだ読んでないんでこの本について言えることはありませんが、ベンヤミンの晩年もメディア論と言えばメディア論なので、それと併せて読んでみたいと思います。

カテゴリ: 近況 日付:

今年の総括(早すぎ!?)

今日は休みでした。

まだ今年は80日ほどありますが、ひょんなことから今年一日を振り返ってみましょう。(日本語が変です。はい。)

今年は人との付き合い方が変わった年でした。

まず、細く長い付き合いだった外山恒一の東京都知事選と熊本市議選がありました。外山ともこれまでになく頻繁に会ったし、そこで出会った人たちと話せたことで、久々にアナーキーな運動に触れることもできました。これまでになかったルートで人と知り合うことができるようになった。イベントとしても楽しかった。学生時代をちょっと思い出した。

それからいとことか親戚の人たちとものすごく久しぶりに会った。15年とか20年ぶりに会ったことで、本当に時の流れを感じた。そして一旦過去のものとしていたそういう人たちとのつながりをもう一度取り戻せたかもしれない。少なくともネット上ではつながる関係になれた。

仕事場でも人の入れ替わりがあって、教える側の立場としての「教育」に関していろいろ考えることになった。基本的に独学指向で生きてきてまわりも勝手に独学することを期待していたこれまでとは、ちょっと違う状況になってきた。

それから、オレすげーと時々思った年でした。

具体的にいつとかは覚えてないけど、これまでは「オレは普通なんだけどまわりがダメなんだ」と思うことが多かった。でも実は「まわりが普通でオレがスゲー」と考えた方が楽なこともあるな、とふと思った。というか「私はすごい!」と言ってる人に会った時に「ああオレもそれでいいのかもしれないな」と思った。そして、世の中には自信のない人がものすごく多いことに今さらながら気づいた。

でももしオレがすごいんだとすると、オレにできることも他の人にはできなくって、そうするとオレにできることは全部オレがやらないといけないことなんじゃないか、という不安にかられてくる。本当はそんなはずはないんだけど。オレにできることとオレがやらないといけないこととの境目がわからない。オレにできることは他の人にもできることなんじゃないのか? 本質的には。

と同時に、オレだめだなーとも時々思った年でした。

やりたいことがいろいろあると全部やろうとするので全部中途半端に未完成。たとえば画家になるわけでもないのに絵を描いたり、写真家になるわけじゃないのに写真撮ったりとかするけど、そこで「趣味です」とは言えない、みたいな。「趣味です、と言ったら負けだ」と思ってるけどじゃあ何なのかって言うとよくわからん。やりたいことがどんどん増えていくんだけど、それは実はどれもやり遂げたり挫折したりというところまで行き着いてないから、というだけなんじゃないかとも思う。でもこれは、まぁ、いいか。やりたいことはやるだけだ。

というわけで、そろそろ年賀状に向けて動き出します。なんとなく始めた年賀状も来年で3度目です。相変わらず住所を聞いてない人が多いので、今年出会ったみなさん、住所教えてください。年賀状送ります。去年かなりしんどかったので、今年は版画はムリかなぁ。ちょっと考え中・・・。

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秋になりました

今年も4分の3が終了しました。

ザ・コン

SMENA-2

PETNAX SuperA | SMC-A28mm/F2.8 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 200

9月の中頃、久しぶりにアキバに行きました。以前とはかなり変わっていて「あの店がなくなっている、あの店も・・・そしてこのビルは何??」とかなり浦島太郎のような状態でした。写真は先日閉店したLAOX ザ・コンピュータ館とその周辺です。

無題

SMENA-2

PETNAX SuperA | SMC-A28mm/F2.8 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 200

いつのまにか夏の光ではなくなっていました。角度とか。

世界の終わり・・・のような

SMENA-2

PETNAX SuperA | SMC-A28mm/F2.8 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 200

梅雨明けが遅かったせいか、暑いのに短い夏でした。

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台風が来ました

東京直撃でした。いやーすごかった。
で。翌日の朝、台風の痕跡をスナップしてみました。
めずらしくデジタル一眼で。

僕が倒したわけじゃありません

僕が倒したわけじゃありません

PENTAX *istDS2 | SMC-A28mm/F2.8 |
僕が折ったわけじゃありません

僕が折ったわけじゃありません

PENTAX *istDS2 | SMC-A28mm/F2.8 |
誰もいない

誰もいない

PENTAX *istDS2 | SMC-A28mm/F2.8 |
捨てた後の持ち主は・・・

捨てた後の持ち主は・・・

PENTAX *istDS2 | SMC-A28mm/F2.8 |
神田川

神田川

PENTAX *istDS2 | SMC-A28mm/F2.8 |
一休み

一休み

PENTAX *istDS2 | SMC-A28mm/F2.8 |
カテゴリ: 近況 日付:
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チャリとアートと

土日休みになって二週目。

金曜日の夜に、やっとのことで入手したPD-A530というチャリのペダルを取り付けたので、土曜日は軽く試走してきました。ペダルを買ったり付け替えたりする意味はチャリダーにしか理解できないと思いますし、そのうえ試走なんかしなくてもペダル替えたくらいで何がかわるものかと思う人も多いと思います。しかし、ペダルを替えるとサドルの位置も変わるし、靴の方の調整(これも意味不明だと思いますが)もやらないといけないので六角レンチを携帯して走ったりする必要があるわけです。ちょっとその辺を、と思って出かけたら調子がいいのと久しぶりの涼しさのせいか先週と同じく80km、葛西臨海公園まで走ってしまいました。

日曜日はまた非常に暑かったので遠くには出ず、近場(新宿~青山~渋谷あたり)をちょろちょろと走ってきました。テーマはアート。といっても見たい美術展があるとかではなく、美術書の立ち読み見たいなことをしようという感じで、ワタリウム美術館(の売店)とか青山ブックセンターとかに行ってきました。青山ブックセンターではたまたま森山大道の写真展示をやっていました。先日の「凶区」とは違って小さなプリントでしたが、これはこれで良いなと。そしてワタリウム美術館の売店で何気なく画集をパラパラめくっていたらすごく気になるアーティストを見つけてしまいました。


Peter Doig: 「Contemporary Artists」

Peter Doig。どの程度有名な人なのか、この画集は京じゃなくても簡単に入手できるものなのか、詳細は全く不明でしたが、とにかく気に入りました。全部チャリなので荷物を増やしたくはないのですが、インタビューも立ち読みじゃ全部読めないし、あとで見つからなくて後悔するのもなんなので購入。

その後暑いし荷物が増えたのでとっとと帰宅。画集をじっくり見たりネットでアーティストの詳細を検索したりしようかと思っていたんですが、いつのまにか爆睡。目覚めたら夜でした。そんな感じで今ごろ(深夜)目が覚めて動き出した次第です。

カテゴリ: チャリ走行日誌 日付:
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森山大道写真展「凶区 Erotica」

新宿でやっていた森山大道の写真展「凶区 Erotica」を見てきました。会場が自宅からチャリで10分のところということもあり、入場無料ということもあり、「いつか行けばいいや」と思っているうちに月日が経ってしまっていました。明日で終わりとのことでギリギリセーフでした。

この写真展のコンセプトは「森山が世界中の都市を切り取ってほにゃらら・・・」ということよりも、ずばり「モノクロ写真をインクジェットプリント」でしょう。大伸ばしの写真たちはすべてエプソンのインクジェットプリンタで出力されたものだ、大御所写真家もこれからは印画紙に焼き付けるのではなくインクジェットプリントなんだ!というのがこの写真展のウリです。場所もエプソンのギャラリーですし。

僕は写真を撮るのも見るのも好きですが、写真家をたくさん知っているわけではありません。日本人の写真家だとすぐに出てくる名前は木村伊兵衛、土門拳、植田正治、荒木経惟、森山大道といった大御所くらいです。そんなオレ定義の「大御所写真家」に名を連ねる森山大道がインクジェットで写真展をやる、というのはやはりインパクトがあるわけです。

森山の作風は相変わらずで、ハイコントラストでブレたりボケたりしているモノクロスナップが壁に貼つくされており、インクジェットということを抜きにしてもインパクトは十分でした。こういうのを見てしまうとありがちな台詞だとはわかりつつも「やっぱモノクロはいい!」と言わざるをえません。やっぱモノクロはいいのです。

しかし、問題はこのハイコントラストです。白黒がはっきり出ているコントラストの高いモノクロ写真ははっきりいって誰が撮ってもかっこいい。簡単にカッコいい写真を撮るならマネすればそれっぽくなります。しかも今はデジタルの時代。印画紙の号数とか何段増感とかそういうことを気にしなくてもフォトショップでちょこっといじってインクジェットでプリンとすればいくらでもハイコントラストな写真が出来上がります。インクジェット出力ということは当然途中にデジタル処理をかますということですから、森山もデジタル上であれこれやってるはずです。それは当然のことで別にとやかく言うことではもちろんありません。また、素人がハイコントラストな写真を作ったところで森山大道にかなわないのも言うまでもありません。ただ、印画紙焼き付けよりも簡単にコントラストが出せるインクジェットプリントでハイコントラストな写真を作っても「森山スゲー」とは思えないところがあるわけです。この写真展は「暗室の魔術師森山大道がデジタルを手に入れたらこんなことになりました」というものではなく、あくまで「インクジェットプリントで森山大道のような写真を作れますよ」という企画なのだと思いました。つまり「エプソンスゲー」という企画なのです。そう理解すればいかにも全盛期の誰でも知ってる森山の作風そのままな写真が並んでいるのも納得できます。というわけでこの写真展のコンセプトを「モノクロ写真をインクジェットプリント」と説明したわけです。

写真集「凶区」は悩んだ挙句買いませんでした。買う価値は十分あると思います。ただ、自転車で行っていたので帰りの荷物になるのを避けただけです。多分しばらくは書店で買えると思うのでもしかすると買うかもしれません。

さ、今のフィルム撮り終わったら次はモノクロフィルム入れるぞ~。

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ガンダムで英語

この本はすごい!

「ガンダムで英語を身につける本―あの名セリフは英語だとこうなる!」


これはよくある「名作映画の台詞で英語を学ぶ」系の本とは一線を画しています。何しろ日本語として独特のガンダム台詞の英語訳を解説しているだけでなく、それを応用した実用的な会話集としても利用できるのです。

たとえば旅行英会話集では、「地球連邦軍の搭乗手続きカウンターはどこですか?」とか「へいタクシー!オデッサ作戦の前線基地まで行ってくれ!」のような、海外旅行で良くあるシチュエーションが例示されています。前線基地にタクシーで行かなければならないような緊急事態では「『前線基地』って英語でどういうんだっけ?」ととっさの一言が出てこなくて戸惑うこともあるでしょうから、あらかじめこういう例題で練習しておいた方がいいでしょう。

また、どくとくの言い回しをつかった感情表現のコーナーでは「アムロのいじけ、ひねくれ、あきらめ表現」とか「カイのざっくばらんな言い回し」、「ザビ家の傲慢無礼な表現」など、その場に応じた適切な表現方法が掲載されています。現代社会では、会社では嫌な上司、飲み友達にはニヒリスト、家庭ではいらない人、のように一人何役もこなさなければ円満な人間関係を維持できないケースも多々あります。それを英語で表現できてこそ生きた会話と呼べるのではないでしょうか。

それから、「優男(やさおとこ)」や「検察官」、「とんがり帽子」、「スカート付き」などの日常単語については、別枠できちんと抑えてありますから安心です。

「こんな本のどこがすごいんだよ!」って?

Some people understand that, other’s don’t. (それを分かる奴と分からん奴がいるのだよ)

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新宿へ行ってきました!?

いや、新宿区民なので行って来ましたも何もないんですが・・・。

今日もいつものように写真をアップするわけですが、写っているものは何の変哲もないものであることをあらかじめお断りしています。今日の主役は写っている被写体でも、行った場所でもありません。撮影しているカメラです。
まず最初にカメラの紹介です。

昨日借りたばかりのSMENA-2です。「私スメナ持ってるよ!」と以前から聞いていたのでてっきりスメハチ(SMENA-8M)だろうと思っていたら、なんと出てきたのはSMENA-2。これは巻き取る側にもパトロネを用意しないといけない旧来型スメナで、フィルム交換のためにハサミとセロテープを常備しないといけないという面倒なシロモノです。ちなみに今どき(と言っても95年に製造終了らしいですが)のスメハチならそんなことはしなくていいんですが、1950年代製造の二代目スメナですから仕方ありません。しかもソビエト連邦製です。今の若い人は知らないでしょ?ソ連。

SMENA-2

SMENA-2

撮影はRICOH GX8

スメナシリーズはボディがプラスチックで安っぽいのですが、このチープさ加減が魅力でここ数年は人気のようです。しかしレンズはT-22という二眼レフでも使われてる本格派。おそらく当時のソ連ではコンパクトカメラのために別の安価なレンズを開発する方がかえってコストがかかったのではないかと推測されます。

スメナシリーズでもっとも微妙なデザインなのはSMENA-8Mだと思います。これはチープという響きから想像するデザインのさらに下を行く、やる気をなくさせるデザインです。それに比べると初期のスメナはまだクラシック感がある分良いですね。

レンズはT-22

レンズはT-22

撮影はRICOH GX8

ところでSMENAとは英語表記で、実際にはキリル文字で下の写真のように書きます。ときどきCMEHAとかCMENAと書いているサイトがありますが、それはウソです。Cに似ているのがS、Hに似てるのがNのキリル文字版であって、たまたま似てはいるものの決してCMEHAではありません。なのでSMENAと書くかキリル文字で入力するのが正解です。僕はときどきCMEHAと書いているサイトを見ては「じゃあお前はΖガンダムをZガンダムと書くのかよ!」とツッコミたくなります。いや多分書くんでしょうけどね。

CMEHAではありません

CMEHAではありません

撮影はRICOH GX8

では、ヨタ話ならぬヲタ話はこの辺にして、実写スタートです。

今日はあまり遠出する気はないので近場を散歩がてら撮影してみます。まず今日は天気があまりよくありません。T-??系レンズは絞って使うのが定石らしいので、自宅のフィルムストックから残り少ないKONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 400 を2本持ち出しました。あとビニールテープの切れ端を2本と携帯用ハサミも持っていきます。

外に出て露出計ではかるとLV12。僕は大抵LV値(ISO100のEV値)を見ます。なぜかというとOLYMPUS PEN-D3の露出計がそうなっているからです。絶対的な明るさの指標として、「あ、今日はLVいくつだな」と勘でわかるのが理想だと思います。で、LV12なので「1/60秒でF11」を今日の基準値にしました。「いやLV12でISO400なら1/60秒F16か1/125秒F11だろ」とツッコむ人がいてくれるとうれしいんですが、僕はこういう謎なカメラを使う場合は大抵1段オーバーで撮ります。ネガフィルムのラチチュードがプラス側に広いからです。そして例えばシャッター速度を上げたいときには絞りを変えずにシャッター速度だけ1段速くします。「1段分は余裕がある」と思えば撮影が非常に楽になります。

まず、最初の1枚です。

近所の自販機

近所の自販機

GOMZ SMENA-2 | T-22 40mm/F4.5 | F11 | 1/60 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 400

これは特筆すべき点が何もない、ほんとになんでもない写真です。単に「初めてスメナで撮った」というそれだけの写真です。Asahiの文字にピントを合わせたつもりですが、よく見ると後ろの木にピントが来ています。これが目測の間違いなのかレンズがおかしいのかはわかりませんが、多分前者でしょう。

この写真を撮ったあと、フィルムを巻いたのですがいくら巻いても止まらず、一瞬うろたえました。一枚分巻いたら止まるのかと思っていたのですが、止まらずにいつまでも巻けるのです。爪が波フォーレーション(フィルムの穴ボコ)に引っかからずに空回りしているようです。構造上巻けていないことは無いはずですが、どこまで巻けばいいかわからない。これは困った。・・・と思いましたが、パフォーレーションを通るときのクリック感があるので、その後は9クリック回して撮影(のち念のため10クリックにしました)する、という作戦で乗り切ることにしました。

次は非常に薄いスプレーで落書きされた電柱です。

控えめなラクガキ

控えめなラクガキ

GOMZ SMENA-2 | T-22 40mm/F4.5 | F11 | 1/60 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 400

ぱっと見「分」と書いてあるように見えるのですが、実際には「バカ」と書いてあるのだと思います。作者の意図はわかりません。ちなみにバカと自転車のおじさんには何の関係もありません。この写真は手前の木と電柱にピントを合わせ、後ろがどれだけボケるかを見るために撮影したものです。おじさんが程よくボケているのがわかります。人をボカすのは写真表現としてよりも肖像権の問題を回避するために重要なのです。ブログにアップして「俺の写真を勝手に載せるな」と訴えられたらたまったものではありません。絞って撮るカメラではボカすのが難しいので、こうやってボカす訓練を怠らないようにしたいものです。

次は階段の壁面です。

壁

GOMZ SMENA-2 | T-22 40mm/F4.5 | F11 | 1/60 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 400

幅1.5メートルほどの階段で、壁を撮影しているのですが、SMENA-2のレンズの最短は1.3m。つまりこれがギリギリです。F11まで絞っているので特に問題はないようです。

つづいて地面の撮影です。

雑草って野性?

雑草って野性?

GOMZ SMENA-2 | T-22 40mm/F4.5 | F11 | 1/60 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 400

今度は1m程度まで近づいてみます。これでもなんとかピントが来ています。この明るさだとこれが限界でしょう。ところで、街中でこういう写真を撮っていると不審者と間違われる可能性がありますので十分気をつけましょう。

次は再び自販機です。

これもまた自販機

これもまた自販機

GOMZ SMENA-2 | T-22 40mm/F4.5 | F11 | 1/60 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 400

一応目論見としては、「横切るおじさんはピントが外れてボケてる上に動いていてブレてるので顔はわからない」つもりだったのですが、これはアウトですね。ごめんなさい。あとこの写真どこにもピントが来てません。木の向こうくらいに合ってるのかな?

またまた近距離撮影です。

花

GOMZ SMENA-2 | T-22 40mm/F4.5 | F11 | 1/60 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 400

花は良いです。何が良いって、撮影していて睨まれたり不審がられたりすることがほぼありません。これは場所が暗かったため1段オーバーではなく適性露出になっています。そのため色のノリが若干良いです。やはり適性露出が一番です。

この辺で一本目が終わりです。6枚しか撮れないカメラではありません。載せてないだけです。このフィルムを早速現像に出すことにしました。開けてみるとパフォーレーションがボロボロでした。「やはりこのカメラはフィルム送りに問題があるな」というのが1本撮った時点での結論です。あとは現像上がりを見てみれば他の部分もちゃんと動作してるかどうかがわかるかなと。忘れずにDPEで「パトロネは返してください」と告げ、待ってる間に食事。

食事中(正確には待ってる間)にSMENA-2の裏蓋を開け、二本目のフィルムを装填してフィルムを巻いたり戻したりしていて気づいたのが、裏蓋についているフィルムを押さえる板(何って名称だっけ?)のテンションが低く、きちんとフィルムを押さえていないのがフィルム送り時に止まらない原因であることが判明。ちょっと引っ張ってみると、ちょうどよい圧力を与えることに成功。これでフィルム送りの問題は解決です。

一本目の現像を受け取り、露出が適正っぽいことを確認。絞りもシャッター速度も(1/60秒F11前後に関しては・・・ですが)正常のようなので、フィルム送りが直った今は無敵です。DPEのおにいさんが「パトロネはこちらに入ってます」と言おうとして「パフォーレーションはこちらに・・」と言いかけた時には笑いをこらえるのに必死でした。きっと店内で「これパフォーレーションボロボロだよ!」という話題で盛り上がった直後だったのではないかと想像しました。

では2本目。今後は遠景を撮ってみました。

新宿

新宿

GOMZ SMENA-2 | T-22 40mm/F4.5 | F11 | 1/60 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 400

遠くのビルにピントが合って手前のおじさんと女性はボケる予定でしたが、パンフォーカスに近い写真になってしまいました。ピントリングは無限遠です。色が淡いのは露出がオーバー気味だからです。

このあと延々ビルの写真がつづくのでその辺は省略して、最後の写真です。

モノアイ

モノアイ

GOMZ SMENA-2 | T-22 40mm/F4.5 | F11 | 1/60 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 400

スキャン後の処理の関係かちょっと暗部がつぶれてしまいましたが、ネガ上ではおそらく今日の撮影で一番画質のいい写真です。色も階調も美しく出ています。機会があればスキャンし直して見ます。

・・・というわけで試写は終わりました。スキャンしてみると思ったよりもさらにオーバー気味なようなので、もしかするとシャッター速度が表記よりも遅いかもしれません。ということは、適正値で撮影するとちゃんと(!?)1段オーバーで撮れるかもしれません。

レンズの描写はなかなか良いんじゃないでしょうか。アップしている写真では目立ちませんが、周辺光量落ちがあります。これは今の時代にはむしろプラス要素でしょう。写真っぽい写真が撮れます。クロスプロセスなんかをやると楽しいかもしれません。

大きさとしてもSuperAなどの小型一眼レフよりも一回り小さく、持ち運びにもちょうどよいと感じました。SMENA-2、お散歩カメラとしてはかなり良いと思いました。

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サーバー落ちたー

連休なので気合入れてサイト作りしてたらサーバが落ちた。
もしかして今日はサポートは休み?
このまま明日の朝まで回復しない!?orz

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