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青島 – 九州編ファイナル

ずいぶん間が空いてしまいましたが、最後のフィルムをやっと現像したので4月の九州帰省旅行報告のラストです。

まずは4月25日の日記を見てください。この「とりあえず一枚」の正体は後日説明ということにしていましたが、その正体を明かす時がきました。

平和台公園から一旦市街地に戻って現像したネガを受け取ったあと、今後の予定について考えていました。飛行機の出発まで3時間。ここから空港まで30分。結構時間がある。時間があるから平和台公演を覗いてきたんですがそれでもまだ時間がある。当初は「雨だから空港の喫茶店で本でも読んでるか・・・」と思っていたんだけれど、今や快晴。せっかくの天気がもったいないと思いつつも、遠出するほどの時間もない。立ち止まるのももったいないのでとりあえずボンベルタのコインロッカーに預けていた荷物を回収し空港へ向かいました。そして空港行きのバスの中で時間の計算。もし時間があるのならば行きたいところがある。青島。街から青島に行く途中に空港があるので方向的には悪くない。空港で再びコインロッカーに荷物をあずけ、カメラと財布以外はなにも持たない状態で青島に行く、これがバスの中で考えた計画。僕はたいていこのように宿泊用の重い荷物はちょっとした時でもコインロッカーにあずけ身軽になって行動します。楽に歩けるしカメラを持つにもいい。

空港についてインフォメーションで日南海岸方面のバスの時刻表を見せてもらうと意外に青島行きのバスは本数が少ない。行きは15分後にちょうど出るが帰りがとんぼ返りに近く、しかも帰ってからはずいぶん時間がある。これでは良くない。しかしこれは空港にくるバスが少ないだけですぐそこの通り沿いのバス停なら本数が多いハズ、とこれまた中途半端な土地勘があるため受付のお姉さんに食い下がって質問してみる。しかしお姉さんはさっぱりわからないという。熊本出身の東京都民よりはこの辺しってるだろーが、と思いつつ20年前の記憶を便りに「青島→宮交シティのバスはそんなに少なくないハズ」と判断し強行。空港発青島行きのバスに乗りました。

青島、あるいはリゾートの記憶

青島、あるいはリゾートの記憶

RICOH Caplio GX8 | ISO100

到着してすぐに帰りのバスの時刻を確認。なんと一時間以上青島にいる時間があるではないですか。帰りもちょうどピッタリ良い時間です。やはり旅は情報と土地勘。あとは帰りのバスのどこで下りれば空港に近いのかわからないという問題があるのですが、これも停留所の名前が分からないものの場所は分かっているので目押しで大丈夫なハズです。では青島の解説。

宮崎というのはその昔は新婚旅行のメッカでした。まだハワイに行くのが夢のまた夢だった時代のことです。その新婚旅行の中心地がここ青島です。僕がまだ小学生だったころは建物もピカピカで賑やかなところでしたが、今では見る影もありません。

青島、あるいは江ノ島に似た島

青島、あるいは江ノ島に似た島

RICOH Caplio GX8 | ISO100

青島は歩いて渡れる島で、干潮ならばそのまま、潮が満ちても橋を通って渡れます。ときどき江ノ島のパチモンと言われることがありますが、江ノ島が青島のパチモンであるということをここで強調しておかなくてはなりません。

鬼の洗濯板

鬼の洗濯板

RICOH Caplio GX8 | ISO100

この青島の名物が荒波によってつくられた不思議な階段状の磯「鬼の洗濯板」です。

これも鬼の洗濯板

これも鬼の洗濯板

RICOH Caplio GX8 | ISO100
みたび鬼の洗濯板

みたび鬼の洗濯板

PENTAX SuperA | SMC M20mm/F4 | KONICA CENTURIA SUPER 400

ちょっと写真では岩のスケール感がわからないのでラクガキを。

人がいるとしたら・・・

人がいるとしたら・・・

レタッチ

だいたいこんな感じです。

洗濯板の表面

洗濯板の表面

PENTAX SuperA | SMC M40-80mm/F 2.8-4 | KONICA CENTURIA SUPER 400
鬼の水虫

鬼の水虫

PENTAX SuperA | SMC M40-80mm/F 2.8-4 | KONICA CENTURIA SUPER 400

鬼の洗濯板には不思議なオブジェのような岩が無数にあり、被写体には困りません。フィルムの本数に困ります。

訪問者

訪問者

PENTAX SuperA | SMC M20mm/F4 | KONICA CENTURIA SUPER 400
日南海岸と洗濯板

日南海岸と洗濯板

PENTAX LX | SMC M40mm/F2.8 | KODAK Tri-X
自画像2007

自画像2007

PENTAX LX | SMC M40mm/F2.8 | KODAK Tri-X

青島には神社があり、そこの売店で本を買いました。

天皇家の“ふるさと”日向をゆく (新潮文庫)

神道の法事、平和台公園の「八紘一宇」、青島神宮。たまたま訪れたこれらは宮崎に神が降り立ったとされる神話で一本につながります。宮崎は日向神話の国なのです。ちなみにこの本には平和台公園の平和の塔への批判的な奇術がありました。

青島神宮

青島神宮

PENTAX LX | SMC M40mm/F2.8 | KODAK Tri-X

さて、ここからは突然ですが廃墟系です。先ほど書いたようにここはかつて新興旅行のメッカでした。その後も宮崎は観光資源だけで成り立ってきたといっても過言ではありません。新婚旅行がハワイに取られると今後はゴルフ場誘致(フェニックス)、現代的リゾート(シーガイア)と次々と観光客を呼び込むための投資が続けられます。そんなにうまくいくもんですか。一度夢を見た人はまた夢を見たくなるんですね。そんなこんなで今の宮崎はボロボロになり、お笑いタレントが建て直しを計っているのはみなさんがご存じの通り。有名人が知事になればおみやげが売れると、これもまた観光頼みの宮崎県民風土が変わっていないわけです。

で、過去のリゾートホテルは今はこうなっています。

かつてリゾートホテルだった何か

かつてリゾートホテルだった何か

PENTAX SuperA | SMC M20mm/F4 | KONICA CENTURIA SUPER 400
鬼のハーモニカ

鬼のハーモニカ

PENTAX LX | SMC M40mm/F2.8 | KODAK Tri-X

廃墟ホテルは日本中いろんなところで見かけますが、これはまた巨大です。街一つが腐海に沈んだ感じです。

あぶないので入ってはいけません

あぶないので入ってはいけません

PENTAX SuperA | SMC M20mm/F4 | KONICA CENTURIA SUPER 400

というわけで日も傾きはじめたところで、青島ういろうを買ってバスに乗り込みました。青島ういろうは名古屋ういろうよりおいしいです。ぜひ一度食べてみてください。あとそのまんま東のお菓子とかも買って帰りましたが写真残ってないな~。ま、いいか。

さよなら

さよなら

PENTAX SuperA | SMC M40-80mm/F 2.8-4 | KONICA CENTURIA SUPER 400

4日間の九州滞在でしたが、非常に濃い旅でした。外山恒一の熊本市議選、いとこやおじさんたちとの約20年ぶりの再会、ひさびさの宮崎市内、平和の塔、青島。写真は合計カラー4本モノクロ5本デジタル125枚。枚数撮らない僕のわりにはたくさん撮った方だと思います。一つ失敗したな、と思ったのがフィルム。今回ISO400フィルム中心だったのですが、九州の太陽光を甘く見てました。東京だと晴天でもISO400でなんとか撮れるんですが九州では無理がありました。明るさが2段くらい違いました。九州の晴天はISO100で。これが教訓。

あとなんか書き忘れたことがあるような気もするけど、何しろあれから3ヶ月も経ってしまったのでもはや日記ではないわけで、忘れたことは忘れるしかないですね。最後にこれまでのリンクを張っておきます。

九州編0
九州編1
九州編2
九州編3
九州編4
九州編5

うちのベランダに

野菜が来ました。もともと家庭菜園やりたいな、と思いつつも今年は時期を逃した感があって「来年かなー」と思っていたんですが、2週間島流しになる某知り合いから留守の間預かることになり、先日鉢がゴソッと来ました。

ベランダ

ベランダ

RICOH Caplio GX8 | ISO400

殺風景だったベランダが一気に華々しくなりましたよ。

これは何だったか・・

これは何だったか・・

RICOH Caplio GX8 | ISO400
バジル

バジル

RICOH Caplio GX8 | ISO400
シソ

シソ

RICOH Caplio GX8 | ISO400

で、届いた時点でシソの葉がかなり大きかったので12~3枚すぐに収穫。しかし他に何もなく、外は台風なので買い物にもいけないため、炊いたばかりのご飯にかけてシソご飯にしました。

シソご飯

シソご飯

RICOH Caplio GX8 | ISO400

これだけでは芸がないなぁ、と思いつつも買ったばかりの100円土鍋で炊いた無農薬米もかなりうまく炊けていたので初収穫のシソはおいしくいただけました。バジルも収穫できそうなのでパスタか何かに使おうと思います。

カテゴリ: 近況 日付:

突然ですが近況です

この10日間ほどいろんなドタバタ状態です。なんかまるで自分が何人かいるようです。

まず、先々週の木曜日の夜の突然の腹痛で病院に行きました。かなり激しい腹痛と下痢で未だに完治していません。先週の木曜日は激しい頭痛に襲われました。これはおそらく上記と連動していると思われます。今はまだ普段通り何でも食べられる状態には至っていません。

一方、今日がピースボート61回クルーズの出航のため、昨日は横浜入り。船内の配線とかパソコン関連のセットアップをやっていました。今日の出航は14時から22時に変更になりました。見にはいきません。いってらっしゃ~い。

で、その一方、先日の日記にも書いた新しいコミュニティサイトSIDE-Bの立ち上げ準備をやっています。

で、その一方、ひょんなことから家庭菜園を始めました。これは後ほど写真つきで紹介します。

で、その一方、書きかけブログがもう一つあって、これは4月の宮崎報告の最終章なんですが、もうちょっとお待ちください。

で、その一方、思うことがあってこれからこういう日記だけじゃなくまとまった文章(小論文的なもの)を書こうかと思っています。これについても後日詳しく。

で、その一方、AUTLA(あうとら)に変わるあたらしいアウトラインプロセッサの開発をsourceforge.jpで行っています。これについては意味が分かる人は少数派でしょうが、ライフワーク的なものになる可能性があります。

で、その一方、最近ぐっずり寝れないのでゆっくり寝たいと思います。

で、その一方、本を読みたくてうずうずしています。

・・・というわけなんですが、幸いにして今日明日は連休です。これまで日曜日は休みでしたが祝日は出勤でした。この7月からは祝日も休むことにしました。祝日が休みなんて何年ぶりだろうとさっき考えていたら、多分8~9年ぶりだろうということがわかりました。うーん、なれないのでドキドキです。

というわけで、なんかちょっとテンション高めなんですが、おそらく腹が痛い頭が痛い食べたくても食べられないという非日常状態がそうさせているのでしょう。この2日間は勢いで突っ走る予定です。とりあえず雨がやんだら100円ショップと本屋に行かねば。

カテゴリ: 近況 日付:

オレ専用mixi的なモノ

・・を作ってみようと思うんですが、どうでしょう?

「mixi的なモノ」つまり招待制のネットコミュニティサイトは別にmixiが元祖でもなんでもなくて、SNSといわれる一般的なサービスなんですが、これのメリットは近しい人とのコミュニケーションに使える、という点です。インターネットの普及率が100%に近づいてきた現在では、個人の日記をオープンなホームページやブログに気軽に書き込むと、いろんな問題がでてきますよね。最近ではネットでは個人名なんかは出さないのが礼儀になってきています。でももともとインターネットは気軽に書けて気軽に読めるのが面白くて普及したわけですが、それがやりにくくなってきた。で、そのおもしろさを取り戻すのがSNSだったと思います。SNSの中だと、直接の知合いでなくても知合いの知合いとかある程度は関係ある人が見ているわけだから、そんなに礼儀正しくかかなくてもいいし、個人名を名指しで出しても大きなトラブルになる危険性は低い。それがSNSのメリットです。

たとえば僕は良くブログに写真を載せるんですが、その写真は大抵誰も写っていません。これは肖像権の問題を気にしているからです。ピースボートの船内の写真とかもたくさんあるんですが、全くアップしてません。

先日ブログに釣りの写真を載せたんですが、そのときに個人が明らかに特定できるような写真はアップするのを避けました。僕の場合はmixi日記ではなくブログなので誰でも見れてしまうんで、顔ドアップとかそういうのは載せずに、知ってる人ならわかる程度の写真にしました。でもほんとはそうじゃないあからさまな写真も載せたい。そこで昨日はあからさまに誰だかわかる写真だけをわけてmixiにアップしました。

と・こ・ろ・が、です。これまたマイミクだけ見れるのかマイミクのマイミクまで見れるのか、mixi会員ならだれでも見れるのか、それともパスワードを知ってる人だけ見れるのか、というオプションなんかがあるんですね。しかもmixiに入ってない人もいる。自分の写真を見てもらうためにmixiに入ってってのもどうかという気がするし、もうなんか気にしすぎて胃が痛くなりそうです。

そ・こ・で、です。そもそもmixiという他人のSNSに頼っているのが間違いなんじゃないかと、これからは1人1SNSを運営していてもいいんじゃないかと、それは大げさだとしてもオレmixiみたいなものを立ち上げたらどうだろうか、と思ったわけです。そもそもマイミクが100人超えたあたりでmixiは使いにくくてしょうがなかったんです。

考えたルールは下のようなこんな感じ。

・オレ(わきもとひろゆき)の知合いなら誰でも入会OK
・オレ以外の人からも招待できる。ただし入会できるのはオレを知ってる人のみ。
・入った人はmixiみたいに自分のページがあって、日記を書いたりもできる(するかどうかはともかく)。
・マイミクみたいな会員同士をつなぐ仕組みがある。オレの知合い限定にもかかわらずオレとマイミク(的なもの)になってる必要すらない。
・コミュニティもつくれて、最初はオレの知合いのカテゴリ(ピースボートとか外山恒一関連とか三平クラブとか熊大関連とか親戚関連とかとか・・)のコミュニティがあって、でも会員が俺と関係なく勝手にコミュニティを作ってもいい。
・日記やコミュニティではオレにはなんのことだかわからない話題をしてももちろんOKだし、オレの知合いなのに俺のマイミクにならず、マイミクしか見れない日記を書くことで、オレが見れない日記を書くことも可能。
・で、(ここが重要)著作権や肖像権に関する基本ルールは「知合いなので楽観視」。
・ただし著作権は書いた(アップした)人にあり無断転載、無断悪用は禁止。もちろん許可を得て転載したり許可を得て悪用するのはかまわない。
・(ここも重要)政治的活動、商業目的の書き込み、宗教勧誘もOK。「自分の店を開いたから来てね」とか「候補者だれだれさんを応援しよう!」とか「○×教に入りませんか?」とか「政府転覆しませんか?」とか「カンパしてください」というのもやりたければやってもいい。もちろん「○×教を弾圧しよう!」とか「候補者だれだれを糾弾せよ!」とかいうのもOK。
・ただし、(ここが一番重要)管理人がやっぱダメと言ったらダメ。オレがルール。ルール変更するのもオレ。

どうかな? マイミクの人の半分くらいが入ってくれれば100人くらいになりそうなんだけど。そんなの作ってもやっぱオレにしかメリットないかな?

カテゴリ: 近況 日付:

橋の下

いつも人が写っていない写真ばかりなので、たまにはこういうのも載せときます。

最近はときどき釣りに行くのです。子供の頃はよく釣りにでかけたものですが、高校に入った頃からほとんど行かなくなりました。ところが今年の2月にわけあって釣りにいくことになり、それが約20年ぶりくらいでした。(あれ? 20年ぶりって計算おかしくね? いやおかしくないです。高校生からもう20年なんです)

昨夜未明

昨夜未明

PENTAX SuperA | MC FLEKTOGON 35mm/F2.4 | FUJIFILM Venus 800

最近は気温があがってきたので夜釣りでも寒くありません。

チャーシュー麺

チャーシュー麺

PENTAX SuperA | MC FLEKTOGON 35mm/F2.4 | FUJIFILM Venus 800

毎回10人くらいで出かけるので、釣り場探しが大変です。しかも大半が初心者です。わけのわからない掛け声をかけながら必死に投げています。

敗北者

敗北者

PENTAX SuperA | MC FLEKTOGON 35mm/F2.4 | FUJIFILM Venus 800

魚もときどきつれますが、地球が釣れることもよくあります。地球は強敵です。

過去の栄光

過去の栄光

PENTAX SuperA | MC FLEKTOGON 35mm/F2.4 | FUJIFILM Venus 800

釣りは才能や努力以外にも運に大きく左右されます。運で釣る人は浮き沈みが激しいのです。

じっと時を待つ

じっと時を待つ

PENTAX SuperA | MC FLEKTOGON 35mm/F2.4 | FUJIFILM Venus 800

そういうわけで、東京近辺の釣り場に詳しい人は情報待ってます。

カテゴリ: 近況 日付:
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しまむら寮って知ってますか?

京王線某駅のすぐそば、というかほとんど駅ビルのような場所にそれはあります。終電を逃したサラリーマンや夜を明かしたい学生などが夜を過ごす一日だけの借りの宿、その名も『しまむら寮』。名前からするに、もともとは学生寮だったのかもしれません。そこでは見知らぬ人同士が偶然の出会いを楽しみ、朝まで語り合うそうです。その近辺の人なら誰でも知っている有名な寮なのですが、一般的には全く知られていません。先日この『しまむら寮』に行ってきました。

言葉では説明しづらいのですが、その駅の真裏に小高い丘がありそこに埋め込まれたようにビルが立っています。改札を出てすぐ横の坂を登るとそのビルの上にでるのですが、そのビルの屋上とも丘の中腹ともとれる微妙な空間に古びた黒い木造建築があります。門の横に『しまむら寮』と書いてあるのでそれとわかります。数段の階段をあがって門の中に入ると右側の一段下がったところに寮が立っており、左側はテラスになっていました。テラスは見張らしがよく、ちょっとした展望台のようでした。まずは寮そのものの建物は歴史を感じさせる不思議なオーラをもっており、明治時代からつづくという噂もまんざらでは無いと思いました。強いて言えば(知る人は少ないと思いますが)旧広島大学薫風寮に近いと感じました。

紙に水彩

しかし、残念なことに(予想していたことですが)、ふれこみの『寮』としてはすでに機能していないことがすぐにわかりませした。趣のある建築物にそぐわない緑色の看板には『卓球広場』と書かれており、建物の中にはいくつかの卓球台が無造作に置かれていました。つまりこういうことです。『しまむら寮』は時代の移り変わりとともに「夜明かしの語り場」としての役目を終え、卓球所として再利用されるという形で存続を計った、と。しかもその卓球所も見る限り機能してはおらず、今はただ卓球台の置いてある展望台の休憩所といった程度です。

ここで「時代に取り残された過去の遺物」と感傷的になることも可能なのですが、あえて「ほろびゆく姿に美しさを感じた」と表現しておきます。ところで僕のブログを読んでいる人なら「あれ?」と思うところでしょうが、僕はこの日迂闊にもカメラを携帯していなかったのです。これに気づいたときは激しく後悔しました。普段どうでもいいような電柱とかをパチパチ撮っているのに、このいつなくなるかわからない貴重な建物を撮らなくてどうするのか、と。しかし後悔しても仕方ないので、帰ってから思いだしスケッチするためにとじっくりと目に焼き付けました。その成果は見てのとおりです。その時は細部まではっきりと記憶したつもりだったのですが、今はぼやっとした印象しかありません。記憶だけで絵を描くことの大変さを身に染みて実感しました。

紙に水彩

なぜか建物の中に入るのを後回しにし、外から眺めてばかりいました。このスケッチの2枚めと3枚目がそれぞれ寮の建物とテラスの様子ですが、これらは門からではなく一旦敷地の奥まで行って振り返ったところの様子です。先ほどの説明とは逆に建物が左、テラスが右になっているのはそのためです。建物の中には人は見当たりませんでしたが、テラスにはわりと人がいて散歩途中の親子とかカップルなんかがのんびり過ごしていました。それはそれでこの場の存在意義が全く失われているわけではないという安心感をおぼえました。

紙に水彩

そして最後に建物の中に恐る恐る入ってみました。卓球台はほこりだらけで使われている様子はありません。他にどこかの喫茶店から持ってきたような小汚いテーブルもいくつかありますが、これも置いてあるだけといった様子です。ふと暗がりに目を凝らすと、奥に管理人室のような畳部屋があり、そこのベッドに白髪の老婆が寝ているのが見えました。このとき全ての納得がいきました。おそらく彼女がこの寮の元々の管理人なのでしょう。そして寮が役目を終え卓球場となったあとはあまりやる気もなくなり、今はもう寝たきりでお迎えを待っているだけの状態なのでしょう。だからもうこの建物は使われておらず、彼女がいなくなれば建物も取り壊されるのでしょう。

紙に水彩

初めて来た『しまむら寮』ですが、おそらくこれを見るのは今日が最初で最後でしょう。長い『しまむら寮』の歴史ももうまもなく終わるでしょうから。この日ここに来て良かったと思いました。そして門に立ってもう一度眺めました。少し日が翳ってきたので建物はさらに黒く見えました。

さて、名残惜しいけど帰るか・・・と思ったところで目が覚めました。

(その後、念のためネットで調べてみましたが、もちろん『しまむら寮』は存在しませんでした。その日は意外に早起きで出勤までしばらく時間があったため、スケッチブックを開き、そばにあったボールペンで急いでラフスケッチを9枚描きました。ここに載せているのはそのラフを元にさきほど改めて描き直したものです。)

カテゴリ: 近況 日付:

野性の?

荒川河川敷で遭遇しました。

小石?

小石?

PENTAX SPF | SMC-Takmar55mm/F1.8 | 1/500 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 200
か、亀だ!

か、亀だ!

RICOH Caplio GX8 | ISO64
しかもこんなに小さい!

しかもこんなに小さい!

RICOH Caplio GX8 | ISO64

今日も天気が良かったので荒川沿いをチャリで走っていました。時速32キロくらいでかっ飛ばしていて目の前の丸い小石をサッとよけて通り過ぎたところ、網膜に残っているのが小石でなくなぜか亀。小石をよけたハズなのに亀の残像!? というわけで100メートルほど戻って確認してみたら、やっぱり亀だったというわけです。指を差し出したらかじりはじめたり、乗り上げてひっくりかえったりと呑気なやつでしたが、自転車が頻繁に通る危険な道なので、その後もしかすると・・・。

休憩

休憩

PENTAX SPF | SMC-Takmar55mm/F1.8 | 1/500 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 200

今年のトータル走行距離338km

カテゴリ: 近況 日付:

平和台公園 – 九州編5

宮崎最終日の朝は小雨がパラついていました。

東京に帰るのは夕方の便なので結構時間があるものの、天気が悪いためホテルのチェックアウトを11時までのばしてもらい、部屋でのんびりしていました。幸いにもチェックアウトするころには雨が止んだので、徒歩で市街中心に向かい、撮影済みフィルムをキタムラで現像。荷物をコインロッカーに預けて身軽になったところで、市街地からバスで15分程度のところにある平和台公園に行ってみました。

平和台公園は子供のころに何度か行ったのですが、場違いな不思議な塔が立っていて子供心に印象に残っていました。バス停を降りると早速その塔が見えるのですが、森の中に頭だけのぞかせたその塔の姿はまるでマヤのティカル遺跡のようです。

宮崎のマヤ遺跡

宮崎のマヤ遺跡

PENTAX LX | SMC-M35mm/F2 | Kodak Tri-X
階段をのぼると・・・

階段をのぼると・・・

PENTAX LX | SMC-M20mm/F4 | Kodak Tri-X

だいたい「平和なんとか」なんて名前がついているものは胡散臭いと相場が決まっているわけですが、この平和台公園も相当なシロモノだということがわかりました。塔の正面に書かれているのは「八紘一宇」(この意味を知らない人はWikipediaなどで調べてください。ちなみに前に来たときにはこんな文字が書いてあった記憶がないな、と思っていたのですが、調べてみたら戦後一旦この文字が削られ「平和の塔」という文字が書きかえられていたのですが、最近になってまた「八紘一宇」に戻されたそうです)。この塔は皇紀2600年記念に建てられたんだそうです。ちなみに皇紀2600年は1940年(昭和15年)です。

平和の塔?

平和の塔?

PENTAX LX | SMC-M40-80mm/F2.8-4 | Kodak Tri-X
中には何が?

中には何が?

PENTAX LX | SMC-M40-80mm/F2.8-4 | Kodak Tri-X
八紘之基柱

八紘之基柱

PENTAX LX | SMC-M40-80mm/F2.8-4 Kodak Tri-X
皇紀2600年記念塔なんです

皇紀2600年記念塔なんです

PENTAX LX | SMC-M40-80mm/F2.8-4 | Kodak Tri-X
ビーン

ビーン

RICOH Caplio GX8 | ISO100

平和の塔の横にはハニワ園があります。ここに置かれているものはもちろん古墳から出土した埴輪ではなく、そのレプリカなのですが、それぞれなかなかいい表情をしています。

踊る女

踊る女

PENTAX LX | SMC-M40-80mm/F2.8-4 | Kodak Tri-X
踊る男

踊る男

PENTAX LX | SMC-M40-80mm/F2.8-4 | Kodak Tri-X
名無し

名無し

PENTAX LX | SMC-M40-80mm/F2.8-4 | Kodak Tri-X
何かを見ている?

何かを見ている?

PENTAX LX | SMC-M40-80mm/F2.8-4 | Kodak Tri-X

これで宮崎観光も終了かな、と当初は思っていたんですが、ここにきて青空が見えてきました。時間がまだ少しあるし、せっかくなのでもう一箇所行きたい所に行ってみることにしました。
というわけで、つづく。

(レンズデータはメモを元にしていますが、ところどころあやしい・・・)

本読んだ一日

今日は休みでした。
当初は次回展覧会のための絵を描く予定だったのですが、朝起きてみたらそういう気分でもなく、結果的には一日中本を読んでいました。30冊の未読本がたまっているのをどうにかしようと思っていたのですが、ちょっとは減りました。では今日読んだ本を紹介。

「現代思想の使い方」
高田明典 著 / 秀和システム


なぜに秀和システムがこんな本を出しているのか謎ですが、現代思想の入門書です。現代思想の入門書は数多く出ているし、これまでにもいろいろ読んだので今さら感はあるのですが、この本は各思想家の思想の概略をまとめたものではなく、日常直面する様々な問題を通して各思想家を解説するというちょっと変わった手法をとっているので面白そうと思い半年くらい前に買ったものです。たとえば「空気を読めないヤツ、と言われたとき」とか「世の中マチガッテル、と感じたとき」などの問題を提出し、それに対する解決策をゴフマンやマルクスといった使って提示しており、入りやすいという意味ではなかなか面白い試みだと思いました。ただ、これは著者の思い入れの問題なのかあるいは苦手な思想家だからなのかはわかりませんが、紹介する思想家によってわかりやすさにバラツキがあります。現代思想と言っているわりには範囲は結構広く、現代思想以前のいわゆる哲学者もでてくれば社会学者、心理学者もいます。これ一冊で何がわかるわけでもないですが、読んでいて楽しい本とは言えると思います。

「アメリカ・宗教・戦争」
西谷修・鵜飼哲・宇野邦一 / せりか書房


4年前に買った本。911以後、イラク戦争以前という今となっては微妙な時期の対談録だけれども、イラク戦争後の世界を正しく予見していると言えます。本屋でこれが目に止まった理由は宇野邦一の名前があったからです。ドゥルーズ本の訳者としてしかこの人を知らなかったので、どのような政治的発言をしているのか興味がありました。対談は口語で行われるので学者であってもストレートな言説になりやすいため、僕は昔から対談を読むのが好きでした。特に3人くらいの対談が一番スリリングで楽しめます。この本でも「今問題になっているのはイラク問題じゃなくアメリカ問題なんだ、パレスチナ問題じゃなくてイスラエル問題なんだ」みたいな話が出てきて、僕らが日常話してるポイントをこの人たちもちゃんと押さえてるんだな、という妙な安心感を持ってしまいます。

「ハイデガー―存在の謎について考える」
北川東子 / NHK出版


シリーズ・哲学のエッセンスというNHK出版のシリーズ本の一冊。第1回配本でニーチェ・ハイデガー・ドゥルーズという並びだったのでつい3冊まとめて買ってしまったまま5年ほど放置していました。ほとんど新書みたいな軽い本なので内容的にはちょっと物足りなかったです。というかハイデガーの存在論はその後の哲学にもかなり組み込まれているので半ば常識的な感じがして物足りないのかもしれません。違う時代の違う文化を生きた人の思索を追うのはそういう意味では難しいです。その時はセンセーショナルだったけど今となってはそれがあたりまえになっているから何がすごいのかよくわからない、というのはよくあることですし、ニーチェなんかもそうですが、要するに「西洋の常識が人類の常識とはかぎらない」ことをいちいち解説しているだけだったりして、非西洋の僕らにはかえってピンとこないなんてことがあります。幸い日本の戦後教育はだいたい西洋的なので大まかにはわかるんですけどね。
というわけで今日は3冊読んだわけですが、この3冊を要約して音で表現するとだいたい
こんな感じ(注:公開終了)、かな。

カテゴリ: 近況 日付:

宮崎市内散策 – 九州編4

今回はなんとフィルム9本分(+デジカメ)も撮影してきたのです。なのでこの日記はまだやっと折り返しです。長~。

法事が終わり、その日のうちに親戚一同は散っていったのですが、僕は翌日の便までかなり時間がありました。そこで宮崎をふらふらと。久しぶりとはいえ、かつては一年のうちの40日ほどを過ごしていた地なので、宮崎は勝手知ったる街なのです。小雨がぱらついているのと、すでに夕方というのもあり、この日はホテルのある橘通り(宮崎市の中心街)近辺をうろつきました。橘通りは多少発展していますが、一本横道に入るとそこは昭和の時代から変わっていない・・・もしくは廃墟とシャッター街、でした。

閉店しました

閉店しました

PENTAX LX | SMC-M35mm/F2 | Kodak Tri-X
入れない空き地

入れない空き地

PENTAX LX | SMC-M35mm/F2 | Kodak Tri-X
宮崎はアーケードが多い

宮崎はアーケードが多い

PENTAX LX | SMC-M20mm/F4 | Kodak Tri-X

祖父と先日亡くなった祖母は晩年はずっと郊外に住んでいましたが、以前はこの中心街のすぐ裏手に住んでいました(今は建物ごとなくなっています)。僕が小学生のころに引っ越したので、このあたりの裏道はうろ覚えだったのですが、昔と変わっていないせいかとくに迷うこともありませんでした。

橘橋

橘橋

RICOH Caplio GX8 | ISO100

大淀川には幻の魚「アカメ」が住んでいます。この魚は四万十川と大淀川にしか住んでいません。宮崎では「マルカ」と呼びます。ちなみに僕は水槽でしか見たことがありません。

大淀川

大淀川

RICOH Caplio GX8 | ISO100 | トリミング

この大淀川の鶴の島のあたりは祖父とよく散歩しました。初孫だったこともあり、祖父にはよくあちこちに連れていってもらっていました。祖父はあまりおしゃべりではなく黙って遠くを見ていることが多かったので、子供のころから謎な人という印象でした。僕はこの祖父から隔世遺伝で受け継いでいるものがかなりあるのではないかとときどき思うことがあります。

デパート前

デパート前

PENTAX LX | SMC-M35mm/F2 | Kodak Tri-X
スターバックスin宮崎

スターバックスin宮崎

RICOH Caplio GX8 | ISO200

デパート前です。宮崎にはほとんどデパートはないのですが、以前からなぜか大型スーパーもデパートと呼ばれています。どうでもいい情報ですが、僕が子供のころにはジャスコ、山形屋、寿屋の3大デパート(?)が道を挟んでしのぎを削っていました。子供心に「デパートじゃねーじゃんw」とつっこんでいたものです。その中で唯一の「本当のデパート」である山形屋だけが今でもそのまま残っているのはさすがです。しかもその一階にはスタバが!?別にどうということはないのですが、宮崎とスタバがどうも僕にはつながりません。宮崎のメインストリートとは言え、ちょっと前までステテコに草履姿のおっちゃんが平気で歩いていた場所です。しかも山形屋は老人向けのダサダサなローカル百貨店だったはず。若者はボンベルタ、年配者は山形屋という住み分けでうまくいっていたと思っていたのですが、どうなんでしょう? 今はただ、街中に居場所がなくなってしまったというご老人がいないことを信じるしかありません。

どこでもドア

どこでもドア

PENTAX LX | SMC-M20mm/F4 | Kodak Tri-X

旅先でふと現実にかえってしまう一瞬。わかる人にしかわからない。

文化ストリート

文化ストリート

RICOH Caplio GX8 | ISO400

アナクロでシュールな不思議空間だった文化ストリート。かつては怪しげな店が建ち並んでいましたが・・・。あと若草通りの入口でアンケートのお姉さんに声をかけられて、暇だったのでつい答えてしまいました。が、住所が東京で「あれれ・・・」って感じでした。というわけで「宮崎で服でも買おうかな~」と思った人はこちらに立ち寄ってみてください(ってなんで宣伝?)→セレクトショップ・フィランテ

おぐらのチキン南蛮

おぐらのチキン南蛮

RICOH Caplio GX8 | ISO200

夕食はおぐらのチキン南蛮にしました。そういえばあまり意識してませんでしたがチキン南蛮って全国区の料理なんでしょうか? おぐらはたぶん世界でもっとも有名なチキン南蛮専門店です。味はなんということはなく普通のチキン南蛮です。ちょっと宮崎の物価からすると高いんですが、量が多いので満足です。

どしゃぶり

どしゃぶり

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雨が大ぶりになってきたので帰ることにしました。九州ではこのくらいの雨は毎週のように降りますが、これは実は全国どこでも降るわけじゃないんですね。九州を出てから知りました。九州は雨の量が多いです。東京でこんな雨が降ったら山手線は止まるわ、地下鉄の階段は滝になるわで大騒ぎです。
というわけでホテルに戻りました。ホテルは一泊4000円代の普通のビジネスホテルなんですが、2泊にもかかわらず長期滞在用の部屋で、仕事やミーティングも十分にできるような広い部屋でした。別に宣伝する義理はぜんぜんないですが、宮崎にいく機会がある人はぜひ「宮崎リーガルホテル」の長期滞在ルームへ。

部屋です

部屋です

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