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『プロタゴラス』プラトン

プロタゴラス―ソフィストたち (岩波文庫)
プラトン
岩波書店
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はじめに

ソクラテスとソフィストとの対話を読みたい、と思い『プロタゴラス』か『ゴルギアス』どちらにするか迷ったのですが、論客の知名度から言ってプロタゴラスだろうということでこちらにしました。

が、結論から言うとこの著作、ドキュメンタリーとしては良作ですが哲学としては物足りないです。結局『ゴルギアス』も読み始めました。プラトン哲学をちゃんと読みたいのであればそちらの方が面白いと思います。

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プロタゴラス断片

はじめに

プラトン著『プロタゴラス』の前に、ソクラテス以前の哲学者 (講談社学術文庫)のプロタゴラスの章を読んでみます。

ソクラテス以前の哲学者 (講談社学術文庫)
廣川 洋一
講談社
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プロタゴラスはソフィストの中心人物ということもありかなり有名な人物で著作も多数ある(あった)わけですが、残念ながら現存する著作物は一つもなく、ここに全文書ける程度の断片しか残っていないようです。

すぐ後の時代には体系家で収集家のアリストテレスがいるわけですが、彼の収集対象にはプロタゴラスは入っていなかったようです。もちろんアリストテレスがプロタゴラスを知らなかったわけはないですし、その頃にすでに著作が失なわれていたとも考えられません。プロタゴラスを始めとするソフィストらはソクラテスやプラトンとは対立関係にあったわけで、そのためアリストテレスやその系列の学者によって故意に葬り去られたか、そうでなくても彼らの保管対象から外されたことで消失してしまったのではないか、と思わずにはいられません。

そのプロタゴラスの断片を2つ。

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