最近読んだ本7選 2019~2020

ブックカバーなんちゃらが回ってきました。

本を読むことにも本を紹介することにも大賛成ですが、チェーンメール的ルールには賛同しないので、7冊の紹介だけやって誰にも回さずに終わります。

最近はKindleで読むことの方が多いので紙の本となるととても限られるのですが、ここ1年くらいで読んだ本のうち取り出しやすいところにあったものを適当にピックアップしました。特にオススメというわけでも無いものも含まれています。

『意識に直接与えられたものについての試論』(時間と自由)/ アンリ・ベルクソン

子供の頃から「他の人と自分で『時間』に関する考え方が違う」と思ってて、そのヒントにやっと出会った、と思ったのがこれに出てくる「純粋持続」。最近初めて読んだわけではなくこれまでに翻訳違いでいくつか読んてるけど、写真のちくま学芸文庫版よりも岩波文庫版の方が読みやすかったように思う。

「純粋持続」を感覚的にわかるかどうかがこの本を理解できるかどうかの境目だと思うので、そもそもこのテーマに興味がない場合には読んでも何も面白くないかもしれない。どちらかというと「時間」よりも「自由」に重きが置かれてるけれども、面白いのは「時間」の方だし、「自由」についても別にリベラリズムについて書かれているわけではないのでそういう期待をして読むと残念な気持ちになるかもしれません。

『なぜ世界は存在しないのか』/マルクス・ガブリエル

最初に本屋で平積みで見かけたときには「胡散臭いなー。なんか無理やりこじつけたような安っぽい持論が書かれてるんだろうな」と思って遠巻きに眺めてただけだったんだけど、ある時パラパラめくってみたらわりと親切にまともなことが書かれていたので買ってみた。

哲学・現代思想の本のわりには、前提として必要な知識(誰々の〇〇論がわかってないと読み進められない、的な)はそれほどなく、最初から説明されているのでわかりやすい。

「新しい実在論」とは何か? みたいな読み方よりも、普通の哲学の入門書なんだけど入り口として著者の持論が用意されている、と思って読むと読みやすいかもしれない。

『FACTFULLNESS』/Hans Losling

邦訳が出る前に読みたかったので英語版を買ったやつ。

世の中に数多ある「データに基づいた論証」の多くが、データを恣意的にねじ曲げて(改ざんという意味ではなく、論者に都合の良いように解釈して)利用している、という告発を行っている本。

「データを元にして書かれてるからと言って正しいとは限らないんだよ」という警告はとても良いと思うんだけれども、この本で「真実はこうなんです」と書いてあるものについても、やはり同じデータを別の角度から見て都合よく解釈しているに過ぎない点に注意。

なので、各例を丸ごと鵜呑みするのではなく「データからは複数の結論が導き出せるんだ」というこの本の本質の部分を理解するのが正しい読み方だと思います。

『デモクラシーか資本主義か -危機の中のヨーロッパ-』/J・ハーバマス

イギリスのEU離脱の国民投票のあたりから「そういえばヨーロッパのことよく知らんよなー」と思って気になったので買ってみた。

民主主義と資本主義はセットではなく、むしろ対立する部分も多いんだけど、その辺の折り合いの付け方とかをヨーロッパではどうやってきたのか、あるいは現在どういう問題があるのか、について書かれたもの。執筆はここ10年間ほどで、出版は昨年の6月。大御所の著作の割にはかなり最近。

「ヨーロッパ」という外部に関する現状把握としても、主題である「民主主義と資本主義」について「じゃあ日本はどうなの?」を考える上でも、面白い本だと思う。でもあまり抽象化されずに現在の問題が記述されているので、賞味期限は短め。今読むべき本かな。

『永遠のザ・フォーク・クルセダーズ 若い加藤和彦のように』

最近、加藤和彦とか井上大輔みたいな、「自殺した超一流ミュージシャン」のことが気になって、過去作品を掘って聴いていったり本を読んだりしていた。その中の1冊。

彼らは、なんで自殺したのか?

その2人だけをとっても、周りに自分の才能の限界をこぼしていたこと、そのわりには余りある実績がある成功者であること、ミュージシャンとしてだけでなくコンポーザーやプロデューサーとしても一流であること、自殺の仕方の選択、などの多くの共通点がある。

答えはないんだけど、生きている側としては考えることがたくさんあるよね、っていう。

『激刊!山崎』山崎洋一郎

『ROCKIN’ON』と『ROCKIN’ON JAPAN』の90年代~2000年代初期の編集長のコラムをまとめたもの。

僕はむっちゃこの世代なんだけれども『ROCKIN’ON』も『ROCKIN’ON JAPAN』も全く一度も読んだことがない。よってこのコラムも初めて読んだ。

初めてなのに懐かしい感じがする(とくに90年代あたり)のは当時の空気感がこのコラムに表れてるからだろうし、逆のこのコラム(や雑誌そのもの)が当時の音楽シーンやファンの語り口を規定していたからなのだろう。

そして今になって「あー、あの当時のあれは、この人の(記事の)影響なんだろうなー」と思い当たることもあり、音楽ジャーナリズムの影響力とか限界とか、そういうものをすごく感じた。

そして、この空気がとても懐かしく心地よいにも関わらず「この時代に戻りたいとは思わないな」という気持ちになった自分に安心した。

音楽は前に進んでいる。

『シュメール神話集成』/杉 勇・尾崎 亨 訳

ここ10年くらい、古代ギリシャ~古代ローマあたり(紀元前後数百年)の著作をずっと読んできたんだけど、そこよりも未来になると中世になってテキスト情報が一気に少なくなるのとキリスト教のことがわからないと読みにくい本が多いので、「じゃあ、むしろ過去に遡ろう」と思ってたどり着いたのがシュメール。

今から5000年も前の文明となると、古代ギリシャとかキリスト誕生なんかがとても最近の出来事に感じられるくらいの過去の話になる。このスパンだと「徳川家康は僕らと同時代の政治家だ」と言ってもいいくらいだ。

そんな過去のテキストが残っていて、しかも日本語に翻訳されてるってだけで奇跡だ。幸いFGOブームとかの影響でこれらの関係書籍が今はとても入手しやすい。5冊くらい買った中の1冊。

中身は、まあ、歯抜けなので読みにくいです。

カテゴリ: 社会/政治/文化/哲学, 読んだ本/漫画 日付:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

この記事へのコメントはこちらへもどうぞ!!

Twitter: @tomokiwa

Facebook: hwakimoto