がんばれ、写真業界

昨日は写真好きにはいいニュースが舞い込んできました。

デジカメ時代の煽りを受けて、近年は古くからのカメラメーカーやフィルムメーカーの倒産や撤退が相次いでいました。その中でも大きかったのが昨年のコニカミノルタのフィルム事業とカメラ事業両方の同時撤退。KONIKAとMINOLTAがこの時代を生き抜くために合併したにもかかわらず、業績不振で完全撤退というニュースは、「伝統のカメラメーカーはデジカメ市場では戦えない」「もう写真の時代は終わりかも」という悲しい予感を感じさせるものでした。カメラ事業はなんとかソニーが引き継いだものの、時代遅れのフィルム事業はどこにも買い手がいないため、あの旧サクラカラーの系譜は先月2007年3月31日にとうとう途切れてしまった・・・、と誰もが思っていました。

ところが!です。昨日、大日本印刷(の子会社)が突然コニカミノルタの写真用フィルム「センチュリアシリーズ」を5月より発売する、というニュースが舞い込んできたのです。これは寝耳に水、コニカミノルタの一部の事業をこの会社が引き継いだことはこれまでにもわかっていたのですが、まさかフィルム事業を引き継いでいるとは予想だにしませんでした。むしろ「フィルム事業は引き継がなかった」という情報が流れていたくらいです。

センチュリア

センチュリア

Canon EOS-10QD | INDUSTAR 50-2 | KONICAMINOLTA CENTURIA SUPER 400

考えてみればコニカミノルタの撤退はあざやか過ぎでした。撤退宣言をしながらも一年間何事もなかったかのようにフィルムを継続販売し、最終撤退日を過ぎた途端に店頭からきれいさっぱりなくなる、というのは工場を閉鎖するのであれば通常ありえないことです。継続販売していたのは事業売却の手続きを行う間も工場を稼働させるためだし、あざやかに消えたのは売却先から新しいパッケージで発売されるからなのでした。そしてそれからわずか2週間で今回の発表です。本当におどろきました。ソニーが引き継いだカメラ事業も当初の「どうせ旧製品のサポートはデジカメだけだろう」という大方の予想を裏切り、KONICAやMINOLTA時代の古いマニュアル銀塩カメラでさえソニーが修理を受け付けているという意外な事態になっています。とにかくコニカミノルタの遺産はほとんどが相続され、なんとか継続運用されているといえるでしょう。

そこにいくと、昨年は異常な伸びを見せ好調だったペンタックスが何やらキナ臭い状況になっているのが心配です。市場の評価も概ね好評だったHOYAとの合併話がここにきてこじれてしまいました。ペンタックスは時代になんとか食い付いた「ギリギリ勝ち組」というポジションにあると思うのですが、こんなところでつまずいてほしくないものです。そしてどんな形であれ僕の古いペンタックスカメラを末永く修理できる未来であってほしいと思います。

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