森山大道写真展「凶区 Erotica」

新宿でやっていた森山大道の写真展「凶区 Erotica」を見てきました。会場が自宅からチャリで10分のところということもあり、入場無料ということもあり、「いつか行けばいいや」と思っているうちに月日が経ってしまっていました。明日で終わりとのことでギリギリセーフでした。

この写真展のコンセプトは「森山が世界中の都市を切り取ってほにゃらら・・・」ということよりも、ずばり「モノクロ写真をインクジェットプリント」でしょう。大伸ばしの写真たちはすべてエプソンのインクジェットプリンタで出力されたものだ、大御所写真家もこれからは印画紙に焼き付けるのではなくインクジェットプリントなんだ!というのがこの写真展のウリです。場所もエプソンのギャラリーですし。

僕は写真を撮るのも見るのも好きですが、写真家をたくさん知っているわけではありません。日本人の写真家だとすぐに出てくる名前は木村伊兵衛、土門拳、植田正治、荒木経惟、森山大道といった大御所くらいです。そんなオレ定義の「大御所写真家」に名を連ねる森山大道がインクジェットで写真展をやる、というのはやはりインパクトがあるわけです。

森山の作風は相変わらずで、ハイコントラストでブレたりボケたりしているモノクロスナップが壁に貼つくされており、インクジェットということを抜きにしてもインパクトは十分でした。こういうのを見てしまうとありがちな台詞だとはわかりつつも「やっぱモノクロはいい!」と言わざるをえません。やっぱモノクロはいいのです。

しかし、問題はこのハイコントラストです。白黒がはっきり出ているコントラストの高いモノクロ写真ははっきりいって誰が撮ってもかっこいい。簡単にカッコいい写真を撮るならマネすればそれっぽくなります。しかも今はデジタルの時代。印画紙の号数とか何段増感とかそういうことを気にしなくてもフォトショップでちょこっといじってインクジェットでプリンとすればいくらでもハイコントラストな写真が出来上がります。インクジェット出力ということは当然途中にデジタル処理をかますということですから、森山もデジタル上であれこれやってるはずです。それは当然のことで別にとやかく言うことではもちろんありません。また、素人がハイコントラストな写真を作ったところで森山大道にかなわないのも言うまでもありません。ただ、印画紙焼き付けよりも簡単にコントラストが出せるインクジェットプリントでハイコントラストな写真を作っても「森山スゲー」とは思えないところがあるわけです。この写真展は「暗室の魔術師森山大道がデジタルを手に入れたらこんなことになりました」というものではなく、あくまで「インクジェットプリントで森山大道のような写真を作れますよ」という企画なのだと思いました。つまり「エプソンスゲー」という企画なのです。そう理解すればいかにも全盛期の誰でも知ってる森山の作風そのままな写真が並んでいるのも納得できます。というわけでこの写真展のコンセプトを「モノクロ写真をインクジェットプリント」と説明したわけです。

写真集「凶区」は悩んだ挙句買いませんでした。買う価値は十分あると思います。ただ、自転車で行っていたので帰りの荷物になるのを避けただけです。多分しばらくは書店で買えると思うのでもしかすると買うかもしれません。

さ、今のフィルム撮り終わったら次はモノクロフィルム入れるぞ~。

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