9月です。夏が終わります。
小川町も夜は涼しくなってきました。
これら写真は7月26~27日に行なわれた七夕祭のものです。
前に住んでいた新宿のはずれ町にも祭がありましたが、小川町に比べるともっとこじんまりしたものでした。
もともと自分は「お祭好き」ではないし、どっちかというと浮かれて現実逃避をしている人を見るのがイヤなタイプなので、神輿を担ぐことはもちろんないし、見物に行くこともほとんどない人生でした。そういうわけで、新宿区に住んでいた時にも隣の住人に「明日祭だよ!」などと言われても「はあ…」という感じでした。
ですが、昨年(2012年)の小川町の七夕祭で「あ、祭って面白いかも」とちょっと思ったのでした。その時はまだ小川町には住んでいなかったのですが、たまたま自転車で来ていて、いつも走っている国道が封鎖され、いきつけの店が違うメニューに変わり、人通りの様子もまったく違っていたのが印象的でした。それで今年も七夕祭を楽しみにしていました。
そうして今年、あらためて小川町民になってから七夕祭を体験しました。
やはり「お祭り」というのは、店の食べ物がおいしいわけでも、神輿や各所で催される出し物がスゴいわけでもなく、その「お祭り感」が楽しいわけですよね。その「お祭り感」の正体はやはり「非日常性」なのではないでしょうか。半分シャッター街と化したいつもの殺風景な通りが、この日ばかりはきれいに飾りつけられて賑っている。この「普段見慣れている街の、見慣れない光景」が楽しいわけです。
小川町は郊外の住宅地こそそこそこの人口が密集しているものの、中心街はかなりさびれているし、本来は観光資源であるはずの江戸時代からつづく古い街並みも大半は壊れてしまっていて、もうちょっとやそっとの町おこし程度じゃどうにもならないような、非常に場末な匂いの漂う街です。(長く住んでる方には申し訳ない言い方ですが)
だけれども、いつもは駅から車やバスの送迎で住宅地に直行している人達が、祭りのこの日だけは駅前商店街に集まってきます。「小川にこんなに人がいたのか!?」と驚くほどの人集り。もちろん他の街から来た人もたくさんいるんでしょうけど。
そして、翌日にはそれがウソだったかのように街は沈まりかえり、いつもの日常が始まります。