先日、父がK-5のサブに欲しいというので PENTAX K-S2 を購入し、駆け足で試写してみました。
K-S2はPENTAX の一眼レフとしては初のバリアングル液晶搭載モデルです。これまでPENTAXにはコンデジまで含めてもティルト液晶はあってもバリアングルはありませんでした。ティルト液晶については過去にMX-1の記事を書いていますが、縦位置では全く意味をなさないティルト液晶については存在意義があまりわかりませんでしたので、バリアングルを待望していました。
父はおもに花のマクロ撮影ばかりやっていて、以前から「バリアングルが出たらすぐ買う!」と豪語していたので、K-S2が発表されたらすぐに購入を決意していたようです。
と、バリアングル推ししてますが、今回の撮影では残念ながらバリアングルを使用する機会にはあまり恵まれませんでした(笑)
第一印象としては、K-5の代わりとしては十分使えそうだ、と思いました。高感度についても解像度についてもK-5と同等と言って良いと思います。グリップのホールド感も悪くはなく、ちょっと軽いのがネックかなという程度です。
残念な点はいくつかあります。
まずシャッター音。これは使い勝手にはほぼ影響しないのですが、モチベーションには大きく影響します。
次に十字キーが薄く凹んでいて押しにくいこと。これはおそらくK-S2の最大の欠点だと思います。特にフォーカスモードをSELにしてポイントを頻繁に変更する人にとってはストレスになるでしょう。もし自分で買うとしたらプラ板かエポキシパテを使って自力で盛り上げると思います。
バリアングルについては、それそのものについては頑強さも十分だし動きもなめらかだし、結構使える、と思いました。
ただ、ライブビュー時のコントラストAFが迷いやすい点、僕がわりと頻繁に使うバッファRAW機能がLV時には使えない点などがあり、バリアングルそのものというよりはライブビューの使いにくさがアダとなって結果的にバリアングルが使いにくくなっているという印象を受けました。
上の2枚はカスタムイメージをいろいろいじって撮ったものです。何をやったかは忘れました(笑)。EXIF情報に文字列としてモード名などが入ってるといいんですけどね。
Wi-Fi機能についてはあまり期待していなかったんですが、専用アプリの使い勝手も含めわりと使えると思いました。当初は撮影した写真をSNSなどに投稿するのを現場でできるなーという用途で考えていたのですが、使ってみるとリモート撮影が思いの他使えそうだと思いました。Android4.4以降ということなので、XPERIA Z1とXPERIA Z2 Tabletで試してみましたが、どちらもそこそこ軽快に動作しました。
他にSHARP AQUOSのAndroid4.2のものもダメ元で使ってみましたが、結論からいうとダメでした。Google Playの検索には出てきてインストールもできるのですが、NFCが認識できずカメラとの接続ができないという残念な結果になりました。ちなみにアプリそのものは起動するので、ただのフォトビューワーとしてなら使えます(まあ使わないでしょう)。
今回、実はいろんなレンズ使ったんですが、セレクトしてみたらほとんどがDA35mm Macroで撮った写真ばかりになってしまいました。バランス的にもLimitedレンズなどの軽いコンパクトなレンズが良いと思います。望遠ズームだと前が重くなりバランスが悪いです。
PENTAXのエントリー一眼レフを使ったのは初めてですが、基本性能には上位機種とあまり変わらないと言えると思います。今回父のためのカメラを試写しただけですが、自分用に買うのもありかなと思いました。ただ少しずついろんなところが残念なため、撮影時のストレスは結構ありました。特に上面液晶がないとういのはとても不便です。バリアングル液晶を閉じて液晶を見ずに銀塩のように撮影することができるかも、とちらっと思ったのですが、上面液晶がないため実質不可能だと気づきました。それと前述の十字キー。これはK-S3ではなんとかしてもらいたいです。
K-5のサブという利用法は正直微妙かなと思いました。下克上なところも多いのでどちらかというとK-5の代わりかと。K-5がΖガンダム、K-5IIがΖ-plus、だとすると、K-S2がリガズィくらいじゃないでしょうか。フルサイズ(νガンダム)が出た時のサブカメラとしては最適でしょう。
基本的にはじっくり撮影するような用途ではなく、カジュアルに散歩スナップなどをやるのに良いカメラかなと思いました。カスタムイメージやフィルター効果などのお遊び要素も多いし、カラバリもあるし。
後継機ではさらなるブラッシュアップを期待します。K-5が壊れたら買うかも。