SONAR 7 買いました

新ブログほぼ一発目の書き込みがなんか読者限定っぽい内容で恐縮なんですが、

CAKEWALK SONAR 7」を買いました。

年始に「今年は久々に音楽をやるぞ!」と決めたので、まずは形からということでDAWを新調したというわけなのです。

僕は専ら「ハードは自作、ソフトはオープンソース」で通しているので、こういう高価なソフトを買うのはかなりためらいました。もちろん「Linux上でオープンソースDAWを使う」という選択肢も考え、実際いくつかオープンソースなDAWも試しました。RoseGardenArdourなど実用的なものもあるので、一通りの音楽制作はできそうではあります。しかし残念ながらこれまで7年ほど使用してきた emagic Logic の代わりとなるには物足りないものでした。

ここで2つの反論が聞こえて来そうです。

その一、「じゃあお前がソース書けよ!」

オープンソース畑の人からはこう言われそうですが・・・・実はそれも考えました。が、「今年はイージーにやる」という目標も掲げていたので、音楽やるためにソフトを作るところから始めるのはやめることにしました。ただ、pdとかREAKTORとか自作VSTとか、それなりに(技術用語的意味で)低レベルなエリアにはかなり踏み込む予定です。

その二、「じゃあ、Logic使えよ!」

そうしないのには明確な理由があります。話せば長くなる emagic買収問題 からすでに5年、今後バージョンアップする可能性もなく、ドングルが壊れたらファイルも読めなくなる Logicでこれ以上データを作るのはもうやめたほうがいいだろう、という判断です。「ことしは音楽やるぞ!」と気合をいれてみても、「いつ読めなくなってもおかしくないソフトではやる気がおきない」ということです。

ちなみにemagic買収問題に関しては昔書いた文章がこちらにあります(注:公開終了)。これもすでに6年前なんですね・・・。この文章を読む限り、当時は SONAR なんて眼中になかったようです。実際この文章を書いた数ヶ月後に Cubase SX が日本でも発売され、一応乗換アップグレードで購入したのですが、なかなか馴染めずにこれまでLogicを使いつづけていました。そういうわけで今、手元には Logic、Cubase、SONAR が入ったXPマシンがあるわけです。DAWヲタクみたいですね。

で、市販DAWソフトの選定となったわけですが、候補はCubase 4Samplitude 10、そして SONAR 7。Cubase と Samplitude は 旧Logic と同じドイツ製。SONAR はUSA製です。この時点で普通は SONAR が選択肢から除外されてしまうわけですが(そんなことない?)、Cubase を作っている Steinburg の親会社は YAMAHA、Logic は 米Apple ですから純粋なドイツ製DAWは Samplitude だけになってしまいました。ちなみに SONAR を作っている Cakewalk には Roland が出資しているので Cubase vs SONAR は YAMAHA vs Roland の代理戦争になっているわけです。

さて、この中からSONARを選んだ理由です。

まず、Cubase はすでにSXを使ってみて「自分には合わない」と実感しているため候補からはずれます。

Samplitude は実は以前から Samplitude 6 Master というバージョンをマスタリング用に使っていて非常に素性の良いソフトであることは知っていて、しかも emagic買収問題 の直前に一時期 emagic で Logic との平行開発が行われいたこともあり、親近感もあります。音のよさに関しては他のソフトの愛用者でさえ絶賛するほどの折り紙付きです。ところがこのソフトは Pro Tools などと同じくオーディオMIX専門ソフトを起源としており、楽曲制作機能(とくにMIDI回り)が貧弱なのです。しかも高い。

SONARに関しては特に日本では「有名だけど素人くさい」「Rolandのおまけソフト」のような印象が強く、Pro Tools や Samplitude はもちろん、Logic や Cubase と比べても格下臭が漂います。そういうマイナスイメージを打ち消すためか「SONARは全米でシェアNo.1!」という宣伝文句があちこちにかかれているのですが、ハリウッド映画嫌いな僕にとってはこの宣伝文句がさらにマイナスポイントとなっています。それから、実は僕が Logic を使い始める前に使っていたシーケンサー(当時はDAWという言葉はなかった)が SONAR の前身 Cakewalk Pro Audio 5 だったのです。これのオーディオ機能の出来の悪さに閉口して Logic 4 に乗り換えたのが10年前。今さらここに戻ってくるのかよ!?というやり切れない気持ちもあります。

それでも、デモをダウンロードした限りでは SONAR は好印象で、Cakewalk 時代とは違うぞ、という凄みも感じられます。裏に隠れたとはいえCALによる拡張も顕在で、本職プログラマが休日いじるDAWソフトとしては悪くありません。

そういうわけで SONAR を購入しインストールすることにしたのですが、なんとうちにはWindows XPマシンがない!のです。メインマシンはFedora 8、ノートはUbuntu 7.10。あとは7年前の自作マシンにWindows 2000が入っているだけです。仕方ないのでこの自作マシンに Windows XPをインストール。7年の間にちょこちょこ強化してあるのでスペック的には一応大丈夫なはずです。Windows 2000 上では Logic 5も REAKTOR 5 も動いてるし。

実際インストールしてみたら特に問題なく動きました。ただ、ソフトシンセやエフェクトを多量にかけるとかなり重いです。「こりゃマシン新調するまでまだ当分Logic使うか~」とも思ったのですが、むしろ「このスペックで可能な音楽をやればいいんだ」と考えることにしました。

で、SONAR をちょこちょこ使ってみての雑感ですが、UIの操作性に関しては Logic 5 (以後すべて Logic 5.5.1 との比較です) とはかなり違ってて戸惑います。ソフトウェア工学的に言うと、こちら(SONAR)のほうが正しいと思いますが、慣れの問題でまだ Logic の方が楽に扱えます。Cake時代に使っていたのでもっと早く慣れるかと思っていたのですが、MIDI部分以外は1から覚えることばかりです。ショートカットは Logic風 にカスタマイズしようかとも思いましたが、どうせこれだけ違っているのなら SONAR デフォルト設定に慣れたほうが良いかなと思っています。

オブジェクト(クリップ)編集やMIDI信号のルーティングの自由度はLogicの方がかなり上を行っています。とくにトラックとオブジェクトの関係については、見た目以上に違っているので戸惑いました。

音に関しては「基本的には」Logicより良いと感じました。ただし、付属エフェクトに関しては Logicほどの完成度ではなく、かければかけるほど音が汚れていくのを実感します。Adaptive Limiter (Logic) と BOOST(SONAR) は機能は同じですが利きが違いますし、マルチコンプや Vintage Channel は見かけ倒しでマスターにインサートすると異様に音が悪くなる、と感じました。付属プラグインなんてのは所詮おまけですが、おまけの出来が Logic ほど良くないのは残念です。エフェクターは社内開発ではなく外注していると思われますが、その辺が理由でチグハグな感じがするのかもしれません。

もっともソフトシンセは SONAR の方が充実してますし、素の音が SONAR の方が上なので乗り換えは正解だったと今のところ思っています。すくなくともSXを買ったときのような「何コレ?」的な不満感はありません。

あと、使っていくほどに感じたのですが、よくも悪くも「思ったよりCakewalk」でした。GUIが小奇麗になり、機能が充実し、ヨーロッパ由来のVSTやReWireなどの規格にも対応してますが、SONAR 1 で突然変異したわけではなく、旧来の Cakewalk が少しずつ進化してきたんだなぁ、と。

そういうわけで、時間を見つけては SONAR と格闘中です。これから月に1曲くらいはここにアップしたいと思っているのですが、SONAR の操作自体に慣れていないためなかなか思うようにはいきません・・・。ためしに〆切を作ってみます。3月、4月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、の各月末と、10月、12月には中間にさらに1曲ずつ。合計10曲。多分エレクトロニカ系のインストです。

乞うご期待!・・・いやあまり期待しないように。

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