色鉛筆いろいろ試してる、第三弾。

前々回前回に引き続き、色鉛筆のテストをやってます。
↓まずは、前回も載せたこれ。ホルベインアーティスト色鉛筆で描きました。これと同じモチーフをできるだけ同じ手数で違う色鉛筆で描いてみようというのが今回のテストです。
20110810_hol.jpg
あくまで隠蔽力テストが目的ですので画の良し悪しについては目をつぶってくださいw
※各色鉛筆の製品ごとの特徴などについてはこちらをご覧ください。


今回も100円ショップの安い黒画用紙を使用しています。
パブロ vs ポリクロモス
20110810_pabmoss.jpg
早速本命の2者比較。描き味はどちらも中硬調ですが、パブロの方がやや柔らかくてカサカサ、ポリクロモスは硬いもののしっとりしています。
ポリクロモスは淡色のラインナップが貧弱なので、こういう黒い支持体ではやはり色選びに苦労します。パブロはそこそこいけますね。ポリクロモスとパブロを比較すると、芯の色を見た時には同じようでも、描いてみるとパブロの方がやや白く隠蔽度が高いです。ほかの画材でも隠蔽度を高めることと白を加えることはほぼ同義なのでこの辺はセオリーどおりという印象です。
ホルベイン vs 色辞典
20110810_hol_jitens.jpg
国産2者比較。描き味は両極端で、ホルベインはこってり柔らか、色辞典はカッチリです。ホルベインは前に書いた時と同様バツグンの隠蔽力でした。色辞典については、前回のテストでは隠蔽力という観点からは「あまり良くない」と評価したのですが、今回はかなり健闘しています。どうやら前回は描き方が悪かったのではないかと。色辞典はちょっとじゃじゃ馬なようで、クセを把握して上手く使えば化けるかもしれません。これについては後でまた書きます。
こうやって比較してみると、やはりブランドごとの違いはかなり大きいと感じました。水彩絵の具で例えるなら、ポリクロモスは透明水彩、パブロはマット水彩、ホルベインはガッシュという印象です。
ポリクロモス(ファーバーカステル)
一番隠蔽力がないのは一目瞭然です。これは淡色のラインナップが少ないこともありますし、そもそも白の含有率が低いこともあると思います(白を混ぜながら塗ればもっと明るい絵になる)。白い支持体に最適化した色鉛筆なのではないでしょうか。しかし、特筆すべきは他の3つとは比較にならないなめらかさと色の深み。透明度が高い分複雑な色になるので当然といえば当然ですが。暗い色の支持体が苦手なのはあるとしても、やはり良い色鉛筆であるのは間違いないでしょう。
パブロ(カランダッシュ)
今回の結果でもベストバランスでしょう。ホルベインほどのっぺりとせずに深みを出しつつ、ポリクロモスほど沈みもしない。やはり1ブランドのみでいくとしたらパブロはとてもおすすめできる万能色鉛筆だと思います。残念ながら入手性が低いのが難点です。
アーティスト(ホルベイン)
すごいことに、黒い支持体でも白い支持体でも塗り潰せばほとんど同じ色になります。逆にいうと、支持体の色を生かした彩色には向かないかもしれません。絵としてはのっぺりしていますが、これは隠蔽力のテストのため明るい色で塗り潰していることによるものが大きいです。ポリクロモスのように深い色にしたいのであれば他の色を選べばいいでしょう。
色辞典(トンボ鉛筆)
前回と違ってかなりの隠蔽力を発揮した色辞典。その理由ですが、前回のテストは白~青~黒のグラデーションでのテストだったのが色辞典に不利だったのではないかと思います。おそらく色辞典はグラデーションが苦手です。それをカバーするために塗り重ねすぎて、ハイライトが沈んでしまったのが前回のテストの敗因ではないかと思います。実際今回のテスト結果を見れば単色での隠蔽力はかなり高い。淡色のラインナップが充実してることもあり、使い方によっては黒の上でも威力を発揮するでしょう。
ただ、色辞典はグラデーションが苦手≒混色が苦手なため、色数で勝負せざるをえないところがあると思います。今回のテストでも、他の色鉛筆が8~10色ほどで描かれているのに対して、色辞典だけは14色使ってます。もちろん淡色が充実してることや手持ちの色数が多いことも理由ではありますが、やはり他の色鉛筆と同等の複雑さを出すにはいろんな色を使わざるをえないようです。芯が硬いこともあり面をちゃんと塗り潰すことは難しいし、色そのものもちょっと安っぽいし、言いだせば難点はいろいろありますが、それでも金額が他の半分以下ということを考えると十分健闘してると思います。
スプラカラーソフト(カランダッシュ)
番外編ですが、水彩色鉛筆スプラカラーソフトも使ってみました。

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スプラカラーソフトは前々回の紹介に載せていなかったのでここでちょっと紹介。
スプラカラーソフトは、このブログで絶賛しているカランダッシュ「パブロ」の水彩色鉛筆バージョン。というかスプラカラーソフトの方がユーザ数は圧倒的に多いんじゃないだろうか。その油性版がパブロかな。作りもパブロよりスプラカラーソフトの方がしっかりしていてメーカーの力も入ってると思われる。ラインナップは全120色でパブロと全く一緒。見た目もそっくりなのでときどき間違う。筆のマークがついてる方がスプラカラー。
俺は40色セットに数色加えて使用。だけど正直水彩色鉛筆は苦手。以前はステッドラーのカラト(旧バージョン)を使っていたが、これがあまり質が良くなくてそれで敬遠していたのもあると思う。いまだに水彩色鉛筆で描いてみて納得いったことが一度もない。これからがんばります。
20110810_supera.jpg
ちょっと描き込みすぎた、とあとで後悔しました。もっと良い引き際があったはず。水彩色鉛筆は高校生の頃に挫折して以来、ほとんどちゃんと使えたことがないのでまだこれから試行錯誤です。
それにしても、色鉛筆ってちょこっと描くだけでもかなり時間がかかるなぁ。今のところ全部B6なんだけど、この感じだとA4が上限かなぁ。

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