第2回:必要な物と道具を揃えよう

ひょうたんスピーカーって何?については前回書きました。
では、さっそく作り方の説明に入りましょう。
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まずは用意するものから。


●ひょうたん
まずはひょうたんがないと話になりません。しかしこのひょうたんの入手が一番難しいと思います。いろんなブログなどを読んでみても、自分で作っていらっしゃる方が大半です。しかしそうなると完成まで一年がかりになってしまいます。僕はこちらのサイトで購入しました。
ひょうたん販売@岡部
http://www4.atwiki.jp/okabe/
時期の問題もあるかもしれませんが、こちらのサイトでも販売数はそんなに多くないようで、欲しかった20cmサイズは入手できず、仕方なく10cmサイズを4個購入しました。ちなみにこのひょうたんのサイズ(cm)というのは直径ではなく縦の長さになります。10cmサイズだと横幅は6cm程度になります。
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図1:10cmサイズのひょうたんの例
このひょうたんのサイズは重要で、これによって取り付けられるスピーカーユニットが決定します。使いたいスピーカーユニットが事前に決まっている場合にはそれに合うサイズのひょうたんを用意します。逆に使うひょうたんが決まっている場合にはそれに合わせてスピーカーを選ぶわけです。スピーカーユニットのサイズは直径ですので、ひょうたんの横幅とスピーカーユニットのサイズを比較しながら決めます。ひょうたんの横幅の方が大きくないと取り付けることができません。先ほど「10cmサイズのひょうたんの横幅が6cm程度」と書きましたが、これはたまたま手持ちのひょうたんがそうだった、というだけのことですので鵜呑みにしないでください。ひょうたんは形がまちまちなで縦の長さから横幅を想像するのは難しいので、通信販売など実物を確認できない場合には、余裕をもって大きめのひょうたんを注文しましょう。
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購入するひょうたんは完全に乾燥しているものである必要がありますが、種抜きはしてある必要はありません。ひょうたん栽培のサイトなどを見るとだいたい種抜きという工程があるのですが、水筒などに利用するのならともかくひょうたんスピーカーに利用するのであれば、加工時に大きな穴を開けるわけですから乾燥後でも十分取り出せるでしょう。まあ「種抜きしてある方が便利」程度に考えておいたらいいんではないでしょうか?
●スピーカーユニット
スピーカーユニットはお好きなものを選んでください。…と言って自分でスピーカーユニットを選べる人はこのブログなんか読まなくても自分で作れる人ですよね(笑)。
僕はまずFOSTEXのFE-8x(FE-83、FE-87など)を候補に入れました。このスピーカーユニットは自作用小型スピーカーとしてはとても有名ですので入手から使い方や音のクセまで、ネットの情報などでも困ることはほとんどないと思います。値段も手頃です。
FOSTEX FE83En
http://www.fostex.jp/products/FE83En

直径は8cmですので、最低でも20cmサイズ以上のひょうたんが必要になると思います。今回、勢い余ってこのスピーカーを4つ購入したのですが、このサイズに合うひょうたんが入手できなかったこともあり、使用しませんでした。
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10cmサイズのひょうたんに合うスピーカーはないかと秋葉原で探して見つけたのがコレです。
Tangband W2-800SL
http://www.tb-speaker.com/detail/1230_04/w2-800sl.htm

こちらは直径5cmなので10cmサイズのひょうたんにもなんとか入りました。今回はこのスピーカーユニットを4つ使用して解説します。
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スピーカーの選ぶ際に注意すべき事はサイズの他にもいくつかあります。まず、フルレンジスピーカーであること。小型のものを探しているとよくツイーターに出くわしますが、あえて特殊な用途を目指しているのでない限り、フルレンジを選択してください。また、初心者であればインピーダンスは8Ωを推奨します。これについてはアンプの解説の回で説明します。なお、前述のFE83Enは8Ωですが、W2-800SLは4Ωです。あと、小型のものを作る場合は耳(ネジ取りつけ用の正方形の部分)がプラスチック製のものが良いかもしれません。これはこのブログのメイキングを見ていくとわかります。W2-800SLの耳はプラスチック製ですがFE83Enの耳は金属製です。あと、マグネットのサイズにも注意してください。通常マグネットが大きい方が音が良いのですが、ひょうたんのサイズがギリギリの場合はマグネットがつっかえてしまう可能性もあります。そうなるとひょうたんがエンクロージャ(箱)の目的を果たさなくなり本末転倒です。10cmサイズのひょうたんに5cmのW2-800SLでもギリギリでした。
●その他部品など

必須なのはスピーカーケーブル。アンプ(詳しくは別の回で説明します)から直接ひっぱるのであればその長さ分必要です。今回は内部配線用だけ用意します。一つあたり20cm程度。全部で1メートルあれば十分です。スピーカーケーブルとして販売されているものでなくても電源コードなど2芯のものであれば利用可能です。
次に接続端子。今回はRCAピンのメスを使用します。RCAピンはオーディオのLINE音声やビデオ信号などに使用する端子で、通常スピーカーには使用しないのですが、ここでは入手性からあえてこれを選びました。家庭によくある端子なので、くれぐれも他のケーブルと間違って差さないように気をつけてください。なお、この接続端子はアンプからケーブルを直結する場合には必要ありません。
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それから針金。これはひょうたんを天井から吊すのに使用します。アルミ製のものが加工しやすくてオススメです。
●工具など
必須なのははんだゴテとはんだ、そしてカッター。はんだゴテは安いもので十分です。カッターはできればデザインカッターが良いですが、小学生が使うような通常のものでもかまいません。デザインカッターは想像以上に良く切れるので初めて使う方は注意してください。ニッパーもあった方がいいでしょう。
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写真左からリーマー、カッター、デザインカッター、はんだ、ヤスリ、ニッパー、はんだゴテ
あと穴あけのための工具としてキリドリル。ここはできれば電動ドリル(電動ドライバーにドリル刃でOK)がほしいところです。キリや手回しドリルでも可能ですが作業の手間はかなりかかります。ネイルなどに使う小さなタイプ(ミニルーター)でもないよりはあった方が良いです。キリで開けた穴をプラスドライバーで広げるという方法もあります。もっと大きな穴に広げる場合はリーマーがあると便利です。ドリルを使用する場合は作業用に不要な角材などがあったほうがいいです。
木工用ボンドも必須です。
あと、丁寧に仕上げるのであれば小型の木工用ヤスリ紙やすりを用意します。塗装をするのであれば、ハケエアブラシなども必要です。
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写真左から電動ドリル、木工用ボンド、ドリル刃、ミニルーター、エアブラシ
正確な円を描くのにコンパスが必要です。
種などの中身を取りを出すのにスプーンがあると便利です。
それから、このブログと全く同じ手順で作業をしようとお考えの方がもしいらっしゃる場合は、マスキングテープも必要になります。これについては次回解説します。
●塗料
塗装するのであれば塗料も用意します。塗装はしてもしなくても音にはあまり影響はないでしょう。ただし、保存性には影響します。腐りにくくするために柿渋を使用する方が多いようです。今回はメタルプライマー、ジェッソ、クリア(アクリル塗料)の3層で塗装しました。
●まとめ
まとめると以下のようになります。★は必須、☆はできればあった方が良い、です。
ひょうたん4個★
スピーカーユニット4個★
スピーカーケーブル(端子を付ける場合は1m、つけない場合は部屋の広さによって10m以上)★
接続端子(RCAメス)4個
針金1m★
はんだゴテ★
はんだ★
カッター★
ニッパー
キリまたはドリル★
プラスドライバー
リーマー☆
木工用ボンド★
ヤスリ☆
ハケや筆エアブラシなど
コンパス☆
スプーン
マスキングテープ
それでは次回はいよいよ製作です。
※この記事に関するご質問などはtwitter:@tomokiwaまでお気軽にどうぞ。わかる範囲で(笑)お答えします。

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