読んだ本/漫画」カテゴリーアーカイブ

読んだ漫画-「らんぽう」

数ヶ月前、古本屋で漫画の棚を眺めていたらこの漫画に再会しました。

僕は記憶力はある方だと思うんですが、小学生の頃にゲラゲラ笑いながら読んでいたこの『らんぽう』のことを25年間すっかり忘れていました。再会した瞬間は、懐かしいというよりは前世の記憶がよみがえったような不思議な気持ちでした。そのときは何故か手に取ることもなく立ち去ったのですが、先日同じ店を通りかかったらまだ同じ棚に置いてあったのでこれは運命かと思い購入。早速読みふけりました。

70年代末はおそらく、少年チャンピオンが少年ギャグ漫画界を牽引していました。その中でも僕が一番好きだったのが『らんぽう』でした。しかし『がきデカ』や『マカロニほうれん荘』といった有名作品に比べると語られることも少なく、僕自身もいつしかこの作品を忘れてしまっていたのです。

20年ぶりに読んだ『らんぽう』、実はそれほど面白いとは思いませんでした。読んでいるうちに子供時代どのコマで笑っていたのかまで思い出してきたのですが、そのページを何度読みかえしても何がそんなに面白かったのかさっぱりわかりません。時代なのか年齢なのかわかりませんが、笑いのツボって本当に不思議です。楽しめる時に読んでおいて良かったなと思います。

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読んだ本-「完璧な涙」

『完璧な涙』/神林長平
ハヤカワ文庫JA ISBN:4150303223

徐々に不思議な世界に入り込んでいき、謎が解けていくようでさらに深まっていく。適度に頭も刺激され、ストーリーにものめり込める。日本のSFっていいな、と思う。
主人公宥現のような無感動少年は今(2005年)ならたくさんいるのが想像できるけど、この作品が書かれた1990年にはどうだったかな。

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読んだ本-「星を継ぐもの」

最近意識的にSF乱読気味です。
『星を継ぐもの』/ジェイムズ・P・ホーガン
ハヤカワ文庫

言うまでもなくこの作品は最近まで劇場公開されていた某有名アニメ映画とは何の関係もありません。月面で五万年前の死体が発見された、という事件の謎を解明すべく科学者が奮闘するSFミステリー。そう、ミステリーとして楽しめる作品です。これは読み始めたら止まりませんね。続編があるようですがこちらは未読です。ぜひ機会があったら読んでみたいです。

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読んだ本-「妖怪大談義」

『対談集 妖怪大談義』/京極夏彦/角川書店

もうすぐ公開される映画『妖怪大戦争』にあわせた企画本が多数出ていますが、その中の一冊。といっても映画にあわせてあわてて対談を行ったわけではなく、実際にはこの5年間くらいの間に京極夏彦が行った妖怪に関するさまざまな対談を一冊にまとめたもの。対談相手がものすごいメンバーでかなり読み応えがあります。もともと僕は対談を読むのが好きなんですが久しぶりに濃い対談集に出会いました。ちょっと古い例ですが坂本龍一・村上龍の対談集『EV.Cafe超進化論』に匹敵する面白さです。

僕の興味範囲はもともと河童限定で妖怪全般にはそれほど興味はないんですが、これをきっかけに今後深入りしてしまいそうな不安をおぼえてしまいます。

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飛行機の中で読んだ本2-「キャプテン・フューチャー全集I」

『恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! -キャプテン・フューチャー全集I-』
エドモンド・ハミルトン / 野田昌宏訳
創元SF文庫

子供の頃NHKでアニメをやっていたのを思い出します。原作は読んだことがなかったので今回読んでみました。かなり古い作品(1940)だし日本で最初に出版されたのも70年代ということもあり長らく絶版だったようですが、最近全集として再版されました。長編2作を一冊にまとめてあるので読み応えあります。

が、内容に関しては正直言って「こんなもんだっけ?」って感じです。TVで観てた時はもっと面白かった記憶があるんですが・・・。ステレオタイプでワンパターンなドンパチものです。ちなみにこの作品はスペースオペラの代表格らしいです。読む前は全巻制覇しようかと思っていたんですが、これ一冊でお腹いっぱいです。でもなんとなくしばらくするとII巻を買ってしまいそうな気もしなくもない・・・。

40年代の宇宙観を楽しむにはいいと思います。

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飛行機の中で読んだ本1-「夏への扉」

行き帰り合わせて30時間ほど飛行機に乗っていたのですが、機内上映の映画が全然面白くなかったので持っていった本を何冊か読み終えました。そのうちの一冊です。
『夏への扉』 / ロバート・A・ハインライン
ハヤカワ文庫 福島正美訳

嫌米克服シリーズ(笑)第一弾です。ハインラインは『宇宙の戦士』を読んでナンジャコリャって感じだったのでかなり敬遠していました。アメリカ保守思想バリバリの人ですから。で、そのハインラインの中では思想が表にでてこなくて一番柔らかい、一般的名作風なのがこの作品だと言われています。タイムマシンものの一種ですがSF的な要素は平凡で、むしろミステリーとヒューマンドラマの方がメインかもしれません。たしかにイイ話だし面白く読める小説ではありました。が、これを理由にハインラインを再評価するかというと・・・どうでしょうね。

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最近買った本

昨日に続いて最近買った本を紹介。

『僕の見た「大日本帝国」』

最近大きな書店では平積みになってますので知ってる人もいるかと思います。中身はタイトルから想像がつくでしょう。右翼から左翼までどんな人でも読める面白い本です。著者の西牟田君(ミクシィの人はこちらへ)は個人的に知り合いで、非常に変な人ですが、本はちゃんとしてます。

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今日買った本

ここ数年SFを読みたい!とずっと思ってたんですが、結局ほとんど読んでませんでした。SFを読みたいと思っている理由と実際読まなかった理由は実は同じなんですが、一つは文学好きな理系にとってはSFというジャンルは魅力的であろうという理由、言い換えると読み始めるとハマりそうで怖いという理由。もう一つはここ数年僕の中でのアメリカ嫌いが進行していて、どこかで再評価しないといつかアメリカ文化を完全否定しかねないという危機感を感じているので、SFならアメリカが本場だし少しは再評価できるんじゃないかと思った、という理由です。

で、BOOK OFFと芳林堂で買ってきた本

-ちほう・の・じだい 梶尾真治
-星を継ぐもの J・P・ホーガン
-ロシア・ソビエトSF傑作集(上) オドエフスキー他
-完璧な涙 神林長平
-親切がいっぱい 神林長平
 
五冊買ったのにアメリカ作品は一冊もなし、でした。やはり重傷です。

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読んだ漫画 – アレクサンドロス

「アレクサンドロス~世界帝国への夢~」安彦良和 NHK出版

2年くらい前に買ったんですが、何気なく再読しました。

ハードカバーで1600円という価格やNHKの企画した漫画教養物であるという点から、本屋に置いてあるのを見た限りではスルーしそうな漫画です。しかし安彦良和だから少なくとも絵は最高にうまいんだよな・・・などと悩んだあげく買ったのを思い出しました。

いわゆるアレキサンダー大王の伝記なわけですが、数ある安彦良和の歴史漫画のなかでも、実在(といわれる)人物がそのまま主人公になっているのは少数派です。僕の読んだ中ではこれと「我が名はネロ」だけです。おそらくこのことがこの作品の重要なポイントだと思います。ほとんどの作品では史実にしろそれをつづった作品を原作にしているにしろ架空の(安彦オリジナルの)主人公を登場させるケースがほとんどです。

正直一般論としては、僕も含め安彦漫画のファンでも「安彦良和は、絵は超一流だがストーリーは平凡である」と認めざるをえないのですが、伝記であるが故の創作の少ないストーリで構成されているためか、この作品は話が面白い。とくに登場人物たちの人間関係の変化とか成功哲学と倫理のぶつかり合いのような部分がリアルに読み込めます。

残念なのは展開が速すぎること。このくらいのほうが何度も読む楽しみはあるのですが、地名や人名の登場回数が少ないことが理解を難しくしているし、地図や過去のシーンをなんども読み返さないと面白さが理解できないという点はちょっと不親切だと思います。本来は全三巻くらいで出すべき分量ではないでしょうか。

安彦好きか伝記好きなら必読、そうでなかったら買ってまでではないかな、というオススメ度合いです。

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