[シリーズ] K-7担いでヒルクライム 3 of 8
今回は自宅(新宿区)からの自走としては初めての山梨県入りです。もちろんK-7を持って走りました。
あらかじめ言っておかなければならないことがあります。今回はハードだったため写真はかなりマズいです。とくに露出がぜんぜんなってません。露出や手振れやフレーミングにすら気を使う余裕がありませんでした。これならK-7を持ちだすまでもなくコンデジでも携帯でもよかったんじゃないかというご意見があればそれに同意せざるをえません。しかし「K-7を担いで峠を登るシリーズ」なので(いつからシリーズ化??w)なんとかK-7でがんばっているわけです。その辺をご理解ください。今度からハードな走りの日は分割測光にしてみます(いつもは中央重点平均測光)。
梅雨が明けてからも天気予報はコロコロ変わり、しかも当たらない。温暖化の影響で気象庁の過去データを元にした予測方法があてにならなくなってきたのかも、と考えてみる。そもそも本当に温暖化しているのか?という点についてはここでは保留。
この日の天気予報は木曜日の時点では晴れだったが、金曜日には雨になった。最初は早朝雨という情報だったが17時発表時には夕方あたりに小雨、に変った。最近の傾向として直前に変わった場合は変わる前が正しいことが多い。とにかく朝起きてから考えよう。
今回の目標地点は前回目の前まで行って通らなかった甲武トンネルの向こう側。あっちには松姫峠や鶴峠などがある。前回は松姫峠を登る体力がないことと、もし登っても向こう側の大月に出てしまって自宅に帰れなくなることなどが理由で甲武トンネルを越えることはしなかった。しかしこの時点での甲武トンネルの向こう側に関する知識は浅かったようだ。帰宅後地図で確認してみたら鶴峠だけを越えて松姫峠に向わずに奥多摩湖に出れることを知った。であれば、いつものルートで風張峠を越えてから奥多摩湖に下りて、鶴峠を越え甲武トンネルを山梨側から越えて、檜原街道に戻ってくる、という上川乗を起点とした周回ルートができるというわけだ。これのミソは、いつもの檜原村役場~都民の森のTT区間がまるごと入っていることだ。つまりTTをやってその後にプラスアルファがついてしかも帰りが面倒くさくない。これはいい。今回はそれで行こう。できるだけ早い時間帯に行きたいが、あまり早いと奥多摩周遊道路が閉鎖されているので、都民の森に8:00ちょうどに着くのが理想。
(↑今回はGPSの記録がないためALPSLABで作ってみた。こまかいところは実際のルートとはちょっと違うのでプラス10kmくらいあるはず。)
前回は寝坊してしまって輪行になったが、今回はちゃんと起きれた。3:30。早っ。雨は降っていないが3時半にしてはなまぬるい空気。湿度はかなり高い。せっかく起きたので雨でないことを祈りつつ(誰に?)、準備にとりかかる。起きてすぐは食欲がないが、おにぎりとサンドイッチを口の中に押し込む。この組み合わせは普通に考えると変だけれども、最近走る前にはこれがいいことに気づいた。サンドイッチ(というかパン)はすぐにエネルギーに変換されるのでこれからの走行にすぐに役立つ。おにぎりは補給のできない山間部を走っているころにやっとエネルギーになるのであとで役立つ。つまり時間差補給。そんなにうまくいくものなのかよくわからないけど、今のところうまくいっているので今回もこれで行く。
4:40出発。
最近調子の悪かったGARMIN Edge305は今日はとうとう起動すらせず。GPSの記録はもちろん速度、距離、ケイデンス、高度、心拍数、勾配、積算高度(獲得標高)がすべてわからない。これがなくても走れるけど、モチベーションはかなり低下する。結局「こんだけ走った」「この高度の山を越えた」という満足感をGARMINに与えられてがんばっていたんだ、と気づく。それにしてもGARMIN Edge305は高機能だけどいろいろと問題が多いし使いにくい。使ってる人はわかると思う。
ルートはシンプルなのでだいたい頭に入れておいた。よって今回も地図なし走行。まずは早稲田通り→青梅街道→五日市街道で武蔵五日市へ向う。考えてみたら風張峠からの帰り自走はやったことがあるが、行きの自走ははじめてだ。早朝なのでサクサクと走って拝島まで1時間くらいだろうと思ったが、これは間違いだった。早稲田通りは早朝なのにかなりの混雑。青梅街道は順調だが五日市街道もこれまた車が結構いる。しかも狭い。大型車も多い。そして妙なわだちができていて路肩が危険だったりする。あと1時間早く出発しないといけないのだろうか?
国分寺あたりで早くも奴らがポツポツと空から落ちてきた。
早い、早いよ!
しばらくそのまま走行したが雨足が早まってきたので立川のコンビニで雨宿りを兼ねての初休憩。この時点で出発から1時間強。コンビニでなにかを探すフリをしながら時間をかせぎ、小降りになったので再スタート。立川から先はこの道を走ったことがないので、まだかまだかと思いながら走っていたら拝島の手前で変な交差点に出る。本当は睦橋に出たかったのだが標識通りに進んでしまい一つ上流の橋を渡る。そのまま走るとやがて睦橋通りとの分岐点に出る。やっと知ってるところに出たのであとはひたすら五日市をめざす。いつのまにか雨は止んでいた。
武蔵五日市駅についたのは7時。ここまで2時間20分かかってしまった。輪行だと1時間半なので自走だと40分のロスという計算になる。これをどうみるか。
今日は武蔵五日市駅には用がないのでそのまま左折。最後のコンビニで補給。地図で調べたかぎりでは奥多摩湖周辺にも小菅村にも鶴峠~甲武トンネル間にもコンビニはない。都民の森の売店も9:30開店なのでこの時間に上ってもまだ開いていない。というわけで最悪食料は手持ち分だけで走る可能性がある。ここで多めに食料を買い込み、2つのボトルとは別に背中にペットボトルのミネラルウォーターを1本入れておく。まぁ自販機がないってことはないだろうけど。半分ほどになっているCCDのボトルにはクエン酸&BCAAの粉末と水を補充。これはいつもよくやるグリコカクテル。
なんだかんだやってるうちに時間がたってしまい、檜原村役場に7:38着。今回は時計での計測のため時計の秒針にあわせてを7:40きっかりにスタート。まだ奥多摩周遊道路が開いてない時間なので対向車はいない。でも同方向は結構いるなぁ。この道ももう6回目。どういう坂とどういうカーブが来るのかは頭では覚えていないが足が覚えているらしく。自動的にセーブしたり張り切ったりする。
上川乗通過は8:00。秒針は見なかったがアバウトにスプリット約20分。最速ではないけど悪くはない。いつもはここからインナーに落とすが今回はためしにアウターでガシガシ進む。前にケイデンス低めを試して失敗しているのにまたこういうことをやってしまう。やはり疲れてしまい途中で減速。それでもタイミングを見ては積極的にアウターで登り、初めて来たときに34-24Tでヒイヒイ言ってた坂を50-19Tでダンシング。一番苦手な数馬手前の坂を登り終え体が熱くなってきたころに恵みの雨。しかも結構本降り。この数馬から料金所跡地までが鬼門で、感覚的には数馬=料金所だし、道路標識も1kmとなっているのでそんなもんだと頭が思ってしまっている。でも走ってみるとここは長い。実際標識の区間も2kmある。ここで疲れが溜る。
料金所通過は8:35。ダメだ。遅すぎる。ダンシングは速く進んでる気になるが、実際そんなに速くない、という噂は本当なのだ。気持ち的にはこれまでの最速と並ぶくらいの速度だと思っていたが、実際はワースト2だ。しかももう脚が切れてしまって残りをふんばれない。
都民の森到着は8:52:10。タイムは1’12’10だ。8分20秒も遅い。やはり数馬手前の坂から最後までになんどかある10%区間がネックなようだ。あらためて重いギアでガシガシよりも高ケイデンスでクルクルの方が速いということが実証された形だ。しかも登り終えたあとの疲れも違いすぎる。10分ほどベンチに座っていて動けないほどだ。もちろん他にも原因はあるだろう。自宅からの自走であること、K-7を担いでいること、いつもよりも多く補給物資を持ってること、10kgのクロモリバイクであること、など。しかしそれにしてもその程度で1割以上のタイム差があるというのはやはり弱いということなのだろう。カーボンバイクだから10分縮んだ、では何もうれしくない。
お前の力で勝ったのではないぞ。そのチャリの性能のおかげだということを忘れるな。(ラン○ラル)よりはチャリの性能が戦力の決定的差でないことを教えてやる。(キャス○ル)で行きたいわけだ。
都民の森にはさすがにローディはまだ一人もいない。バードウォッチングのおじさんたちが20人くらいバスやら自家用車やらで集まってきた。しばらくすると売店に営業中の立て札が立つ。オフィシャルには9:30のはずだが20分ほど早い。まぁ物販テントはもう営業してるし従業員からすればおなじことなんだろう。グリコカクテルのボトルが残りすくなくなったのでアミノサプリで水増し。もう何のドリンクだかわからない。
さて、出発。ここまではトレーニングモードだったが、ここからはからツーリングモードに切りかえ。まずは風張峠はすぐなのでサクっと越え・・・るはずが、脚が重い。ここで難航したことはないんだけどなぁ。
PENTAX K-7 | DA18-55mm AL WR
月夜見第二駐車場まで下りてくると、青空が見えてきた。読みは当ったようだ。小雨の後の日光は気温を下げる。ちょっと肌寒いくらいになった。疲れた体が引き締まり、脚が回りだす。まぁ下りになっただけちゅー話もあるが。ここからは知らない道だ。ようやく対向車線にローディがあらわれはじめた。女性ローディは来る度に増えてる気がする。小学生か中学生のクロスバイクの2人組もいる。あいつらは峠までいくつもりなんだろうか。
バイクや車も増えてきた。バイクは今回はまともなライダーばかりで安心できたが、車は酷い。ドリフトやりながら行ったり来たりしている黒いやつと黄色いやつ。やはり檜原側の方が走りやすいか。が、急坂もあれば下りもある起伏に飛んだ檜原側よりも、こちらの方がコンスタントに同じ勾配がつづいており富士スバルラインには近いかもしれない。
10:30ごろ、三頭橋に出る。今後のために自販機やお店の状態を確認するためにざっとまわるがやはりコンビニはなし。陣屋そばが開いていたので食事。そばの仕込みに時間がかかるためオープンの時間はまちまちで、平日だとまだ開いてない時間だそうだ。木曜休み。
11:15ごろに出発。自走初の山梨県入り。小菅村の中心はすぐかと思っていたが思ったより遠い。東京の村だと村と言っても小洒落ているが、この辺はKOSUGEという青いお洒落な看板が似合わないくらいに、ほんとに村だ。いい感じだ。
小菅村役場前を左折。もう12時近い。道に自身がなかったが一応国道なので標識がきちんと出ている。この段階では大月方面でいいはずだ。小菅村のはずれに来ると、早速の登り坂。まだ鶴峠の登り口ではないので、これを登ってもきっとまた下るのだ。案の定しばらくいくと下りはじめた。獲得標高はもう1200mくらいいっただろうか。トンネル工事の手前で一旦停止。たしかここを左のはずだが標識がない。記憶の中の地図にはここを曲れと書いてある。のの道はずいぶん小さい道だがバス停がある。そこで鶴峠にバス停があるのを思いだした。ということはこの道でいいのだろう。しばらく行って振りかえると写真で見覚えのある大月左の標識があった。どうやら道は合っているようだ。
ここからはひたすら登り。麓で休憩すればよかったが適度なポイントが見あたらなかったのでそのまま登坂開始。おそらく鶴峠に向っているようだ。勾配はそれほどでもないはずだが結構なRでハンドルがふらつくし、足にくる。禁断の27Tを使うもケイデンスは上がらない。「ツーリングモードなんだから足を付いてもいいんだぜ」と俺の弱気なゴーストが囁く。車はほとんどおらず、ローディも一人に抜かれたっきり。あじさいが色鮮かに咲き乱れていたような気がするが幻だったのかもしれない。孤独な戦いの後、なんとか鶴峠に着く。噂どおり何もない。
「鶴峠、案外たいしたことなかったな」と俺の勝気なゴーストが囁く。しかしまぁどの峠もそんなもんだ。登ってる最中には「来るんじゃなかった。もう二度と登らない。」と思うが、登り切るとそんなことはもうすっかり忘れて次回いつ来るかを考えている。なんなら一旦下りてすぐ登ってもいいかも、とすら考える。ヒルクライムは麻薬だ。山道を登りながら僕はそう考えた。
あわよくば午前中には上川乗に戻ろうという当初の計画もむなしく、この時点で12時をすぎていた。ここからダウンヒル。何もない静かな道だがときおり前方からも後方からも車がやってきて混雑する。上野原市に入る。ガンガン高度を下げるが途中一箇所だけ旧な登り。田和峠というらしいローカルな峠。ここからも高度は下りつづける。こんなに降りたら海抜0メートル切るんじゃないかと不安になるほどに。この道はいったい俺がもう一度この先を登らなければならないことを知っているんだろうか? 上野原市に入ったとたんにさすがは市というだけあって建物もそこそこ多く、自販機もときどき見かける。そして何よりも、要所要所では気さくな住民が笑顔で迎えてくれる。
さて、交差点に出た。これは左だ。ここからまた登るってわけだ。一つまぎらわしい標識を無視してから檜原方面に向かう。これが最後の戦いだ。檜原側に比べると、山梨側の甲武トンネルへの道はゆるやかだ。疲れた足が軽快に回るほどではないけれど、負担はそれほど感じない。しかし今度は違う問題に直面した。空腹だ。「腹が減ったと感じる前にエネルギー補給せよ」という鉄則を破ってしまった。しかもそう言えば、鶴峠以降ドリンクもほとんど飲んでない。「ドリンクはガブ飲み禁止。喉が乾いたと思う前にちびちび飲め」の鉄則も守っていなかった。背中にはまだ薄皮あんぱんが残っているが、なぜか食べる気にならない。あんぱんはエネルギー補給には最適だが、食事には甘い。
安西先生…やまねこ亭のキーマカレーが食いたいです。(字余り)
「心配するな、甲武トンネルまで登ったら、そこからあと25kmくらい走ればやまねこ亭だ。でもランチタイムにはもう間に合わないよ。」俺のゴーストはあくまでも正確な情報を囁きつづける。それにしてもこの道は思ったより長い。勾配がゆるいということは距離が長いということだ。漕いでも漕いでも高度が上がらない。ペダルがも重い。こちら側にはどこかに富士山が見える展望台があるという話だがそんなものは見あたらない。どのみち今日は富士山見えないしな。と思いながらふと前を見ると、真正面に山が見えた。これまで常に左が山で右が崖だった。それが正面にあるということは・・・トンネルだ。
甲武トンネルはやや檜原側に下っていた。音の反射が大きく、車が入ると前方から来るのか後方から来るのかわからないほどの残響だ。車の音が消えてからトンネルに入り、さっさと駆け抜ける。雨が染み出しているのか路面がビショビショでブレーキをかけると危険そうだ。幸い車は一台も通らなかった。
トンネルを抜けると、東京都だ。あとは知らない道はない。14時前に上川乗で周回を終了し、五日市まで下る。ダメ元でやまねこ亭に入ると、食事はまだできるとのこと。よかった。
食事とコーヒー、それに漫画を読んでいたら時間がかなり経って、15時すぎ。ここから輪行ならば気楽なのだが今回は自走。距離的にはまだ3分の1残っている。帰りはゆっくり走るため、五日市街道→睦橋通り→多摩川CR→世田谷通り→荒玉水道道路で帰る。途中休憩で府中のY’sに寄ってみる。Y’sは店舗ごとに品揃えも店員の質も違うが、ここはわりと良い感じだ。ここと新宿マニアック館ではイヤな思いをしたことがない。マニアック館はカスタム館になってからはなんか商売熱心すぎて引いてしまうところがあるが。ついでに言ってしまうと最悪だったのは新宿アドホックにあったJOKER(閉店)。今の新宿店の前身だ。客を見下していてとても商売でやってるレベルの対応ではなかった。2回行って2回とも対応にムカついたのでその後行かなかった。移転後の新宿店では今のところそういう対応を受けたことはないのだが安心はしていない。いつも目を光らせてるのでブログに書かれたくなかったらY’s新宿店の店員は客に誠意ある対応をするように。
話がそれたが、府中で最後の休憩と補給を済ませてから出発。狛江ダートの手前までは多摩川CRを走るつもりだったが花火大会があるとかでCRは通行止め。その通行止めの標識が出てくるのが遅いのと、警察の誘導がいいかげんなのでかなりの迂回となった。その後いつまでもCRの整備をやらないサイクリストの敵狛江市を通過して荒玉水道道路へ。帰宅は19:00ごろ。
走行距離200km、獲得標高2500m(目算)。
やはりハードでした。次回この周回をやるなら輪行がいいかな。