2008/06/25 ルアーブル

はじめてのルアーブル。

Y字路
2008/06/25 Le Harve
PENTAX LX | smc PENTAX FA43mm/F1.9 | TREBI 100C


気づいてる人も多いと思いますが、ヨーロッパに入ってからはあまり写真撮ってません。ブログに載せるために適当に引っ張ってきてはいますが、これと言ってお見せするほどのものでもありません。じゃあそれ以前はどうだったんだ、と言われるとこれまたたいした写真はなかったわけですが・・・。

はい、それではルアーブル。ここでは4時間くらい時間がありました。ヨーロッパだし4時間あれば結構遊べるかな~と思い、電車でルーアンへ行くことにしました。ルーアンへは1時間くらいかかるので、行って帰ってくるだけですが、それでもいいかな、と。

まずは港からシャトルバスに乗り、街中から駅へ。ここまで順調。

フランス語はさっぱりわかりませんが、駅で路線を確認。自動券売機でパリ行きを押しルーアンのボタンを押す。手持ちのユーロ札を挿入。チケットとおつりが出る。ここまで順調。

待っている間にキオスクでパソコン雑誌を購入。フランス語だがOpenOffice.org 2.4とUbuntuの特集記事、Inkscape、Blenderの連載記事が載っている。さすがオープンソース先進国フランス。キオスクでこんな雑誌が買えるか。ここまで順調。

あと、時間ないので電車の中で飯食おう、とサンドウィッチを購入。ここまで順調。

目的の列車が到着。改札を通って乗り込む。ここまで順調。

フランス語でアナウンスが流れる。意味はわからないがもうすぐ出発の時刻なので普通に挨拶だろうと思い無視。サンドウィッチを食べながら買った雑誌を読みふける。

・・・あれ?まだ出ない?気づいたら出発予定時刻から20分経過。まわりは特に変わった様子なし。
・・・30分経過。駅員に聞いてみた。

「どうして出発しないんだよ?」
「運転手がいないから出発しない」
「どうしていないんだ?」
「いま代わりのものが向かっている」
「いや、どうして運転手がいないんだよ?」
「あと10分で来る」

なんてこったい。ここはケニアか?ポレポレ文化圏か?

しかし、ちょっと気になることを思いだしました。今日は港湾労働者のストライキが行われているらしい。港ではそんなに気になることはなかったんですが、もしかして港湾労働者以外もストライキを行っている!?・・・不安と不安が入り交じったまま10分待つ。持ち時間4時間のうち1時間がすでに経過。運転手はこない。

考えてみた。もしあと10分で運転手が来て出発して、ルーアンに着いたとして、帰りの列車は定刻どおりに出るのか? それで果たして時間までに帰れるのだろうか?そもそもルーアンに何分滞在できるんだ??

ちょっとムリ。

そう思って駅員に告げた。

「いくらなんでも遅すぎだ。乗らないから金買えせ。」

駅員は駅長か少なくとも彼の上司と思われる恰幅のいいオッサンを呼んだ。彼は言った。

「ワタシ、エイゴワカリマセン。ウィカンノットリターンマネー。」
「遅れてるのはそっちの責任だろ!」
「イッツディレイ。バットウィカンノットリターンマネー。ユーキャンノットゲットマネー、エニウェイ。」

交渉にならなかった。上司の方が英語が下手。俺より下手。「フランス語を勉強しよう」と思った。

無題
2008/06/25 Le Harve
PENTAX LX | smc PENTAX FA43mm/F1.9 | TREBI 100C

そういうわけで1200ユーロ(2000円ほど)をドブに捨てて不機嫌全開のままルアーブルを散策することにしました。動かない列車に2000円。サンドウィッチを食べるための場所代だ。きっと今日はルアーブルを見学しなければならない運命なんだろう。

若干気を取り直してルアーブルについて知っている事柄を整理。

  • ノルマンディ地方。ちょっと前にPS3のゲーム「ブレイドストーム百年戦争」をやったばかりなので大体の位置関係は思い浮かぶ(ルーアンはゲームにも登場。ルアーブルはなかったと思う)。
  • 小さな美術館があるらしい。
  • 印象派発祥の地。モネの「印象・日の出」が描かれた場所。
  • 「不思議の海のナディア」の物語スタート地点。
無題
2008/06/25 Le Harve
PENTAX LX | smc PENTAX FA43mm/F1.9 | TREBI 100C

「とりあえず、美術館だな。ナディアとかジャンヌ・ダルクに用ないし。」

というわけで地図を見る。「美術館は・・・」駅から街をはさんで対角線上にあるちょうど一番遠い街はずれだ。遠・・・。しかし歩く。写真もほとんど撮らず。

街を抜けると海にでました。対岸にはクリッパーパシフィック号。あれ?ここなんか見覚えがある。あ!もしかして・・・。

そうです。なんと何気なく眺めていたこの場所。ここは、あのモネが「印象・日の出」を描いた場所だったのです。そしてそのすぐそばに美術館。

美術館は小さいながらなかなか粒ぞろいで、ゆかりがあるのかなんなのかわかりませんがデュフィが結構多かったです。あと、コローの人物画が一点。コローはこれまで風景画しか見たことがなかったので新鮮でした(帰国してみたら上野でコロー展をやっていたので、今となってはそうでもないですが)。

印象の地でクリパシと
2008/06/25 Le Harve
紙に水彩

美術館を出たら早速、モネが描いたあの場所でスケッチ。あとで気づいたんですが、すぐ横に記念碑が立っていました。もうこの時には捨てた切符代のことなんてすっかり忘れて、絵に没頭していました。

その後偶然出くわした知り合いと昼食。「やっぱフィルムだよね写真は」とか言ってMXとA-1をお互い見せ合ったりしながら、ピザをほおばる。ナポリでピザを食べてなかったのでフランスで食う。

で、港に戻る。以上。

印象・日の入り(後)
2008/06/25 Le Harve
PENTAX MX | smc PENTAX M85mm/F2 | 400TX

ま、結果的には良かったんじゃないかな。ルーアン行かなくて。

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